没入

うり

没入

僕たちは、没入できる。

他の誰かの人生に潜り込んで、追体験。

それが、楽しいことであると知っている。

自分ではない誰かの人生を歩きたいのか、自分の人生が嫌いなのか。

どちらもあるしどちらでもないけれど、記憶の追体験を望む。

君の感覚を共有、僕はそれを受け取る。

新しい景色が見えたような気がするけど、受け取ったのは僕でしかなくて。

結局は自分であると気付くまで。

どれだけ頑張っても君にはなれなくて、君のことは分からない。

君も僕のことは分からなくて、

それが唯一の救いだったりする。

誰にも分かってもらえない感覚に潜り込んで、

別の誰かのフィクションに没入する。

見える世界の広さと狭さを、手に取るように体験する。

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没入 うり @dadada-chabashira

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