童話の登場人物をホロメンに変えてみた件
無課金勢
桃太郎①
昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが居ました。
お爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、ドンブラコドンブラコと大きな桃が流れてきました。
お婆さんは桃を拾い上げ、家に持って帰る事にしました。
お爺さんと桃を食べようとナタで切ると、桃の中から白い牡丹の花のように美しい、元気な白髪の幼女が飛び出てきました。
子供が居なかったお爺さんとお婆さんは、白髪の幼女を育てることにしました。
桃から生まれた幼女を、お爺さんとお婆さんは、白い牡丹の花のように美しい幼女に「ぼたん」と名を付けました。
ぼたんはスクスク育ち、やがてFPSでヘッドショット連続キルを獲るまでに強い幼女になり、その姿がまるで獅子のようだと噂になり、巷で獅子のように強い美しい白い牡丹から「獅白(ししろ)」と呼ばれるようになりました。
そしてある日、ぼたんは言いました。
「あたし、鬼ヶ島へ行って、悪い鬼をヘッショしてくる」
そして、お婆さんにインスタントラーメンを開発してもらい、お爺さんに製造してもらうとそれを持ち、鬼ヶ島へ出かけました。
旅の途中で、むちゃくちゃ元気なねねちに出会いました。
「あ! ししろん! どこ行くのー?」
「鬼ヶ島に、ヘッショしに行くー」
「へー、ねねちねー、お腹空いてるんだぁ、なんかちょーだい?」
ぼたんはお婆さんからもらったインスタントラーメンで、もやしたっぷりな野菜ラーメンを作ってあげました。
「ねねが野菜食べれないの知ってるだろー!」
そう泣きじゃくるねねちに、ぼたんは銃口をねねちの額にあて「食べ物を粗末にしてはいけません」と圧をかけました。
泣きながら「桃から湯気が出てるー」と言い、野菜ラーメンを食べました。
「どう? 野菜?」と聞くぼたんに「口の中が森になっちゃう」と答えるねねち。
お腹もいっぱいになり、ねねちはぼたんと一緒に行くことにしました。
そして、今度は気怠そうな低気圧よわよわポゥポゥに出会いました。
「んあ? ししろ、どこ行くの?」
「鬼ヶ島にヘッショしに行く」
「ふ~ん、んじゃ」
これまで数々の井筒の無茶ぶりを体験してきたポゥポゥは、すぐさま何かを察し、踵を返し立ち去ろうとしました。
「……行かないの?」
「行かない、戦うの苦手」
ぼたんは立ち去るポゥポゥの背中を見つめ「そう」とだけ言いました。
ポゥポゥは、一つだけ大事な事を忘れていました。
ぼたんには『実力行使』というスキルがあることを。
案の定、ポゥポゥの記憶は鬼ヶ島へ着くまでありませんでした。
そして、今度は顔が肝臓の異名を持つ大喜利の女王ラミィちゃんに出会いました。
「し・し・ろーん! 会いたかったよー!」
一升瓶を片手に嬉しそうに駆け寄る肝臓。
ぼたんも笑顔で大喜利に抱きしめられました。
「ねー、ししろ~ん」
「なに? ラミィちゃん?」
「これからどっか行くの?」
「鬼ヶ島にヘッショしに行くよ」
「えー! ラミィも行くぅ~」
「んじゃ、荷台に乗って」
「私は荷物か! せめて助手席にしろよ!」
期待を裏切らないキレッキレのツッコミに大笑いするぼたん。
こうして、口が森になったねねち、気絶したまま引きずられて行くポゥポゥ、酔っぱらってダル絡みし始める肝臓の戦力になるかどうか分からない仲間と共に、ぼたんは鬼ヶ島へ向かうのでした。
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