回収と能力コピー収納機と天空世界と
幸とキースは異形を素手で殴ったり蹴りで倒しながらバトルアックスの所まできた。
それまでの間、人型が待ってくれる訳もなく。何度も二人へ攻撃を仕掛けて邪魔をする。
その攻撃をかわしながら幸とキースは、ここまで来たのだ。
「ゆっくりしてられない」
「ええ、そうですね」
そう言い幸はバトルアックスを持った。
「一部……焦げてるな」
「使えそうか?」
「どうだろう……使ってみないと分かりません」
幸はそう言うとバトルアックスを構える。
「そうか。もし使えなければ捨てろ」
「……そうですね。でも捨てません……この戦いが終わるまで置いておきます」
「まあ、それもいいだろう。じゃあ行くぞ……異形も人型も待ってくれないからな」
そう言われ幸は、コクッと頷いた。
その後、二人は異形を倒しながら人型へと向かう。
◆◇◆◇◆◇
ここは、とある大陸にある町。その、とある草原にも多数の異形が出現している。勿論、人型も三体いた。
その三体は、お互い距離をおき宙に浮き無作為に周囲をみている。
ここにも多くの転移者が居て異形と戦っていた。
その様子を学たち五人は品選びをするかのようにみている。
「何度みても転移者の能力って、こうも同じものがないのかと思うよ」
「学、確かに……そうだな。まるで個性のようです」
「個性か……くだらない。そんなものが存在してたまるか。そもそも個性があったとしても実力のない者は敗北する」
そう言い学は無作為に一点をみて睨んだ。
「相変わらず手厳しい。まあ……そうだな。どんないい能力を持ってても使い熟せなきゃ宝の持ち腐れだ」
「鉄矢の言う通りね。それはそうと……いつ狩りをしていいのかしら?」
「慌てるな、甘美。いつも通り能力をコピーしてからだ」
そう学が言うと四人は、コクリと頷いた。
「じゃあ……俺たちは、いつも通り学の援護をすればいいんだな」
「鉄矢、そういう事だ。そんなに時間がない……行くぞ」
そう言い学は自分の左手にアイテムらしき物を出す。それはカラフルに光っている正四角柱の形をしている。
そのアイテムのような物は学の能力の一部だ。これにコピーした能力を収納しておくのである。
その能力は他の能力とミックスされて、あとで必要な時に学が思い通りの能力につくり変えて使うのだ。能力コピー収納機とでも命名しておこう。
学は能力コピー収納機を持ちながら歩き出した。
それをみた四人は学のあとを追いかける。
――場所は変わり天空世界――
この天空世界の端の方には女神サンラアキアの住まう領域が浮いていた。
その領域には、カラフルで可愛いオブジェのような物が至る所に置かれている。
その中心には大きなお菓子の城を思わせるような建物がたっていた。
その建物の中もカラフルな可愛い物で統一されている。
奥に行くにつれて大小様々な縫いぐるみのような物が増えてきた。
この建物の一室である広い部屋では、女神サンラアキアが可愛い玉座に座り目の前の画像を真剣な顔でみている。
見た目は幼女のように可愛い。ピンクの髪に星とハートの髪飾りをしている。
「あー学が動きだしちゃったよ。ここに幸が居ればなぁ……でも距離が、あり過ぎるかな。幸……大丈夫だと思うけど」
そう言いサンラアキアは幸が映る画像を目の前に持ってきた。
(……人型と、どう戦うのかな? アタシが手を貸せればいいけど、アイテムを出してあげるぐらいしかできないんだよね。
変に干渉しちゃうと世界がおかしくなっちゃうからなぁ)
そう思いながら画像をみている。
その後、お茶を飲みながら再び映像をみていたのだった。
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