無能力なので努力をする転移者の英雄譚〜俺は能力が皆無だけどさ、努力してこの世界でやってやるぞ〜!!『はい分かりましたので、ちゃんと仕事しましょうね♪』
ミケネコ ミイミ♪
序章
どういう事だ!?
「ここはどこだ?」
そう思いながら男性は、立ち上がり周囲を見渡した。
「どうみても、ここって……どっかの草原だよな」
そう言い男性は、なんでここにいるのかと考えてみる。――……
◆◇◆◇◆◇
ここは、とある町の歩道だ。学校の帰り道、男子高校生が色々考えながら歩いている。
(フゥー、やっと引き継ぎが終わった。あとは大学の準備だな。推薦も通ったし、さて……何をするかなぁ)
そう考えていた。
この男性は
幸は今日まで部活をしていた。その部活とは陸上である。そう今日その引き継ぎを済ませて、ホッとしているのだ。
(そういえば最近、忙しかったからアニメ観てないなぁ。ゲームもやってない……。帰ったら、どれかやろう)
そう思いながら歩いている。
“……助けてお願いです……貴方にしか――………”
そう女性の声が聞こえてきた。
「……!?」
幸は言葉を発声する間もなく、自分の真下に黒い穴が現れ落ちる。
◆◇◆◇◆◇
……――幸は思い出した。
(あーそうだった。なんか変な黒い穴に落ちて……確かあの時、女の人の声が聞こえてきたようなぁ)
そう考えていると幸の目の前に、ヒラヒラと一枚の紙が落ちてくる。その紙を幸は取った。
「手紙?」
その手紙を読んでみる。
―― 【ごめんなさい、ギフトを授け忘れたから自力でなんとか頑張ってね……テヘッ(*ノω・*)テヘ♡ それと、この世界のこととか教えておきます――…………】――
そう書かれていた。
「う、嘘だろぉぉおおおー!!」
そう叫び頭を抱え見上げる。
その後、空を見上げたまま睨んだ。
そして、ハァ〜っと溜息をついた。
再度、幸は手紙に目線を向ける。
(怒っても意味ないよなぁ……それで戻れる訳じゃないしさ。それはそうと、ちゃんと読み直すか)
そう思い幸は、手紙を読み直した。
(俺をこの世界に転移させたのは、女神サンラアキア。そしてこの世界の女神かぁ。
そんで、この世界はアルデバルド。……地図ぐらいよこせよ。地名とか書かれても、何がなんだか分からん)
読んでいたが分からないため、リュックに手紙を入れる。
「とりあえずは、北西を目指せって書いてある。……って、おいっ! 北西ってどっちだ?」
幸は再び頭を抱えた。
(えーっと、落ち着け……太陽の向きをみれば分かるよな……)
そう思い太陽を探す。
「……」
幸は絶句する。そう太陽らしきものが見当たらないからだ。
(太陽がない……なのに明るい? どういう世界なんだ……意味が分からん)
考えすぎて幸は、頭が痛くなった。
因みに太陽はある。しかしサンアラキアが、能力を使い隠しているためみえないのだ。
なぜそうしているのか。ただ単に、自分より目立つ存在が嫌いなだけである。
(まぁいいか……とりあえず村か町をみつけよう。そこで、改めて手紙の内容を整理するかぁ)
そう考えがまとまると幸は、やる気のないような足取りで歩き出したのだった。
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