第5話 帰宅(母さんからの質問責め)
学校を出た俺は、ダッシュで帰宅した。
「ただいま~」
「おかえり、大地!」
母さんがニコニコしながら玄関までやってきた。おそらく学校どうだった?とか聞いてくるのだろう。
「学校どうだった?素敵な女の子はいたかしら?」
…うん。学校どうだった?は予想通りだった。その後の素敵な女の子はいたかしら?っていうのはなんなんだよ!普通は友達出来た?とかだと思うんですけど!
「あー、素敵な女の子はまだ見つけてないけど友達なら出来たよ」
「あら、そうなの!良かったわね!素敵な女の子も早く見つけなさいよ!」
そう言ってバシバシ背中を叩いてくるのだが、素敵な女の子ってなんやねん!
「お友達って男の子?女の子?」
…細かく追及してくるなぁ、母さんは。
「男の子と女の子だよ。その2人幼なじみらしいわ」
「そうなのね~。その子たちはお付き合いしてたりするの?」
「え、なんでだよ?」
「幼なじみで高校でも一緒に行動してるなんてもう確定じゃないの!」
「確かにどうみてもお互いに好意あるっぽかったわ。でも付き合ってないらしい」
「へ~そうなのね。ねぇ大地、2人がお付き合いできるようにアシストしてあげたら?
お友達になったんでしょう?」
…まさか母さんが俺と同じ思考だったとは。
やっぱり親子なんだな~、うんうん。
「実はそのつもりなんだよね~」
「あらあら!フフッ、しっかりやるのよ!」
「あぁ、そうだ。これサインとハンコもらってきてって言われたんだ」
俺は、田中先生に渡された書類を母さんに渡した。
「分かったわ。読んでサインとハンコ押しておくわね」
「ありがとう」
「勉強は大丈夫そう?」
「おう。ついていけそうだわ」
「それなら良かったわ~」
俺の学力はマジの平均ど真ん中なのだ。
まぁ高校生になったし、もう少し頑張ろうかなとは考えている。
「お昼はどうしたの?1人で食べたの?
学食?それとも購買?美味しかった?」
か、母さん質問が多いよ。記者もビックリするくらい質問してくるね。
「お昼はさっき言った2人と一緒に学食で食べた。味はなかなか美味しかったよ。」
簡潔に説明したが、母さんはしっかり聞き取ってくれたようだ。
「あら、そうなの~。それなら良かったわ。
あ、そうそう。今日お父さん早く帰れるみたいだから夜ご飯は外食にしましょうか?転校初日で疲れたでしょう。何か美味しい物でも食べよっか~」
「よっしゃ~!焼き肉が食べたいです!」
「フフッ、分かったわよ~」
「しばらく部屋でゴロゴロしてるわ~」
ここにいるとまた質問責めが始まる予感がしたので自室に避難する事にした。
「また夜ご飯の時に話ゆっくり聞かせてもらうわね!出かける準備だけちゃんとしておいてよ~」
「…おう」
質問責めはまだ終わらなそうだな、アハハ。
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