着物が着たくなったとき

第9話 希望！

草履を購入した後、実家に戻り試しに着物を着てみる事にした。

YouTubeを見ながら着てみると、思っていたより順調に着れた。

帯は、お太鼓結び。

昔、本を見ながら挑戦した時はよくわからない部分も多かったんだけど、ホント動画はわかりやすい。

てきた！

と「ホントに着れるの？」って顔で見ていた母をドヤ顔で見ると、無言でイロイロ手直しされる。

「まぁ、練習したら大丈夫かもね」

ん？　

ワタシ的には完璧ですが？

「そうそう、着物の上には何を着るの？」

え？　着物の上？

「卒業式の頃なら、着物だけで歩くのは寒いと思うわよ。」

。。。マジか。

そんな事、全く考えてなかった。

「羽織もあるから持って行く？」

手渡された「羽織」というものを受取り着てみる。

「ん？　ただ着物の上から着るだけ？」

「そこのひもも結んで」

「洋服でいうとカーディガンみたいなもの？　それともコート？」

「カーディガンかしらね。　これは脱がなくていいわよ。」

せっかく結んだ帯がみえないじゃん！

と思いながらも

「それじゃ、これを着れば前だけなんとなく様になってたらごまかせるよね。」

「まぁ。。。　そうだ、コートもあるわよ。」　

コートは、脱がなきゃダメだって聞いたので母が何やら説明していたけどほとんど話を聞かなかったけれど

羽織かぁ。

便利なものがあるのね。

これさえあれば当日少々、お太鼓結びを失敗しても脱げなきゃいいって話じゃん。

卒業式の主役は子供なわけだし。

なんか希望が見えてきた。

卒業式、着物で行けそう。