七辻八坂にある「九道の辻公園」

ちょこっと

第1話 プロローグ (1000文字以内)

もうすぐ妹が産まれる、夏休み。


お母さんが病院に居る間、おばあちゃん家に預けられた俺。もう小学二年生だしな。平気だ。


お父さんは仕事。後、家でベビーベッドとかなんか赤ちゃんくる用意してるんだって。


俺のばあちゃんは「八坂」駅ってとこに住んでる。

23区の俺ん家から電車で1時間かかんない位だ。西武多摩湖線。

けど、俺ん家の周りとは全然違う。なんか広い。多分、でっかいマンションとかがあんま無いからかも。広く見える。

近くにはゲーセンとか映画館とか無いし、あるのは神社かな。


駅から大人が歩いて五分位んとこに、駅と同じ名前の「八坂神社」ってデッカイ神社がある。

赤ちゃんが無事に生まれますようにっつって、ばあちゃんがお参りに連れてってくれた。

校庭みたいに広くって、これは狛犬だとか、あれはなんとか社だとか、神社の中いろいろ一緒に見て回った。


そんで、夕方になると毎日晩御飯の買い物に行くんだ。

ばあちゃんと手繋いで、ニコニコお買い物。

この魚は煮つけにすると美味しいとか、この野菜は今が旬だから買って行こうとか、いっこずつ教えてくれんだ。

折り紙で手裏剣や兜を作ってみせたり、手遊びだってずいずいずっころばしとか教えてくれた。

俺ん事、ちゃんと話聞いてくれんだ。大好きだ。


けど、ばあちゃん家に来てもう二週間。生まれる予定日が伸びたらしくって、俺が家に帰れる日も伸びてる。

ちょい飽きてきたかも。


だから、今日はちょっと探検。一人で、探検。

道路沿いに浅い川が流れてるのを追っかけてったら、スゲー広い交差点に出た。

数えてったら道が七つもあんだ。スゲー!


んで、横断歩道ドキドキ渡ってったら、公園見っけた。

いーじゃん。

同い年くらいの子が遊んでんじゃん。


俺も、入ーれて!

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