新型テロリスト・ミラー五郎

狐付き

ミラー五郎のサラダ

ひみつのレシピ


 サニーレタス……数枚

 たまねぎ……半玉

 ニンジン……4分の1

 とり肉……一切れ

 ごま油……大さじ2

 ごま……小さじ1

 塩……少々

 こしょう……少々

 醤油……小さじ1

 みりん……小さじ1


「まずサニーレタスを細かく切ります」

「どう切りましょうか、先生」

「手でひきちぎります。食べやすいくらいに」

 サニーレタスを数枚重ねては切り、また重ねては切りを繰り返し、一口サイズほどにする。


「次は玉ねぎ半玉をスライスしていきます」

「どの程度でしょうか」

「薄ければ薄いほどいいです。スライサーを使いましょう。スライスし終わったら水に浸します」

 水に浸すことで辛味が抜け、食べやすくなる。


「今度はにんじんを切ります」

「どう切りましょう?」

「千切りです。細ければ細いだけいいです」

「千切り苦手です」

「苦手なひとはスライサーを使うとうまくいきます」

「どのように使えばいいのでしょうか」

「千切りが終わったら、こちらも水に浸しておきましょう」

 水に浸すことでシャキシャキ感が損なわれないようになる。


「そしてとり肉です。こちらは水で茹でます」

「味付けはいらないんですか?」

「これは油分を抜くためと、茹でることで肉の繊維にそってほぐれやすくするために茹でるので、水自体に味を付ける必要はありません」

「なるほど」

「茹で終わったら取り出し、水気を取ります。そして先ほど言ったとおり肉を繊維からほぐしていきます」

「手で簡単にほぐれますね」


「終わったら、ごま油、ごま、塩、こしょう、醤油、みりんを混ぜます」

「味付けですね」


「あとは玉ねぎとにんじんを水から出し、キッチンペーパーでよく水気を取ります」

「取りました」

「そして小さめのボウルにサニーレタス、玉ねぎ、にんじんを入れ、先ほど作った調味料をかけ、ラップをして振り、あえます」

「とりはあえないんですか?」

「このときラップはしっかりと張らないと、こぼれるので注意してください」

「とりはあえないんですか?」

「そして完成するのが、こちらの予告状となっています」




 送られてきたSDカードの動画を見終わり、警視正はため息をついた。

「我々はなにを見せられていたんだ?」

「だんだん予告状の手が込んできましたね」

 何人もひとが死んでいるのに、こんなおふざけ不謹慎だ。あまりにも度を越してバカにされたため、なんと言っていいかもわからなくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新型テロリスト・ミラー五郎 狐付き @kitsunetsuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ