なんでも町のシスターさん
ロスト
【第1話】
なんでも教会のシスターさん。
今日もまた人々の悩みを聞いていきます。
やってくる人はとてもクセが強い人ばかりなのかもしれません。
登場人物紹介
マリアス
教会のシスターさん
教会にやってくる人の悩みを聞いてアドバイスするシスターさん。
第一話
「この教会へようこそ、では貴方の悩みを打ち明けなさい」
そう私は言います。
私はこの教会のシスターです。
まあ、この町にある教会のシスターは、私しかいないのだけど、一体今日はどんな悩みを打ち明けてくれるのでしょうか?
あ、ちなみに私の名前はマリアスと申します。
私がいる教会やって来たのは、一人の男性でした。
身なりからして、結構裕福な家の方だと思います。
それにしても……顔を見てみると、結構イケメンな感じの人ですね?
これは女性の方にモテるのではないでしょうか?
「シスターさん、俺……悩んでるんです」
悩みですか……年頃の男性ですし、一体何の悩みなんでしょうね?私、ちょっと気になります。
「そうですか、では……貴方の悩みは何ですか?」
「実は……俺には幼馴染の彼女がいまして、その彼女に告白されたんです。でも俺……好きな奴がいるんですよ、どうしたらいいですかね?」
恋の悩みですか、これはどう答えたらいいのでしょうか?
私、今まで異性とお付き合いした事がないのですけど!?
これは適当に答えたら不味い気がしますね……
「そ、そうですか、では……貴方が好きな人は、貴方のことを好きなのですか?」
「はい、それはもう!いつも抱きしめてますし、いい匂いなので一緒にお昼寝したりしてるんです!」
はあ………それはもうその方と付き合えばいいんじゃないですかね?
でも、この方、結構悩んでるみたいですね?
「シスターさん、俺、どうすればいいですかね?」
「私が決めてしまってもいいのですか?」
「はい!シスターさんに言われたら、決心もつくと思うので !」
そこまで言われては仕方ありませんね。 では……この方の事を言う事にしましょうか。
「分かりました……貴方の悩みはそうですね、その好きな方が大事と言うのでしたら、それを貫くのも良いかと思います。
幼馴染の方は残念かも知れませんが、報われない恋をいつまでも 続けるのは辛いかと思います。だからその気がないのでしたら、きちんとお断りしておくのもいいのかも知れません。私の助言はこんな感じでいいですかね?」
私が助言をすると、男の人は決心がついたみたいで
「わかりました!ありがとうございますシスターさん!これから彼女の所に行って来ますね!助言ありがとうございました!」
「そうですか、それではまたいつか何かありましたら、お越し下さい」
男性がいなくなった後、私は良いことしたなあと思いました。
それから数日後の教会
今日は、一人の女性がやって来ました。
この女性の見た目は栗色の髪をしていて、私より胸が大きいですね。
べ、別に羨ましくなんかないですけど?
それにしてもこの人色気が凄いです。
きっと男の人にモテるんじゃないですかね?
この教会にやって来たと言うことは、悩みがあると言う事なので、私は彼女に 「この教会へようこそ、では貴方の悩みを打ち明けてぐたさい」
私がそう言うと、彼女は泣きそうになりながらこう言って来ました。
「シスターさん!私、どうしたらいいんでしょうか?」
「一体どうしたのですか?」
「実は私、恋をしてたんです!私が好きだったのは幼馴染の男性なんですけど、私……勇気を出して彼に告白したんです、でも振られてしまいました……でも振られた理由が納得出来ないんです!」
んー??何か聞いた事がありますね?幼馴染…… あ、そう言えば数日前に男の人がやって来ましたね?
もしかしてこの人は、その男の人の幼馴染なのでしょうか?
「納得出来ないと、一体それはどうしてなのですか?」
「私が告白したのに、彼は好きな奴がいるって言うんですよ!これが他の女だったら、私も諦めるんですけどね?でもその彼が好きな奴って……」
これはもしかして………ど、同性を好きだと言う事なのかしら!?つまり男の人が男の人を好きになるって事?
そのような人達もいるって本に書いてあるのを見た記憶がありますけど、まさか実在しているのでしょうか?
こ、これは気になりますね……
「その彼が好きな人って一体……」
「それが人じゃないんですよ!私の飼ってる馬のベティーって言う馬がいるんですけど、彼、そのベティーが好きだ!って言うんですよ!なので私とは付き合えない、すまない!って言って来たんですよ!わ、私、どうしたら良いんですか!?シスターさん!」
う、馬!それってあの家畜で飼われてる馬って事!?
そんな人が実際にいるんですの!?
は、初めて知りましたわ……まさか……
「あの……その方って、もしかして数日前にこの教会へ訪れた方なのですか?」
「はい、彼が言ってました、数日前にこの教会でシスターさんに助言を頂いて決心がついたって、あの……私、彼の事、諦めなくてはいけないのですかね?教えてください、シスターさん! 」
ええ……私にどうしろと? まさかこんな展開になるとは予想がつきませんでしたわ…… でも私はシスター、悩みを解決するのがお仕事なのですけど、これは流石に……ま、まあ何とかやりますわ!
「貴方は、その……まだその彼のことは諦めないのですか?」
「はい!旦那候補なんで!私、彼と結婚するつもりでいますし!」
「そ、そうですか……なら助言をします、まず、貴方はその彼に何度もアタックしてください、彼の気持ちを揺さぶらせるのです。それが出来なければ……」
「それが出来なければ……?」
「もう既成事実しかありませんわ、外堀、埋めなさい、逃げられなくすれば彼も諦めると思いますわ」
「分かりました!ありがとうございますシスターさん!私、頑張ってみます!」
「そ、そうですか、頑張ってくださいませ」
「では、まず薬を用意しないとね、睡眠薬が確かあの店にあったはず……」
彼女はそう言うとこの教会から出て行きました。
こ、これでよかったんでしょうか? ま、まあこれで良い事にしましょう、あとはもう知らないです……はい。 私はマリアス、これからもこの教会で人々の悩みを聞いて導いていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます