動物車

学生作家志望

出荷

人間の言葉はわからない。なぜか餌をくれるあの人がどんな名をつけられているのかもわからない。


でも本当にわからないのはあの人がなにを考えてるか。なんでボクを突然暗い夜の中に無理やり詰め込んだの。苦しそうな顔をするくせに、どうして一生懸命逃げるボクを捕らえたんだろう。


薄い闇の中に小さい白い光が入り込んでいて少しだけ眩しい。よく見てみるとそこには小さな穴があって、いつものあのにおいがする。


走り出したくなるけど、ボクと同じような動物たちのせいで身動きがとれない。

出してよ、出してよ、もっといつもみたいに動きたいな。


 ◆

「ごめんな。ごめんな。」


人は、今度はボクを動けないように固定してきた。


「それじゃあ、やるぞ。」


ビリビリ


あれ、なんだろう。ボク、なんだか気分が変だよ。なにも感じなくなって来た。走りたいって思わなくなっちゃったな。


なんか、また苦しそう。どうしてそんな声を、顔?


グッ


目に光がなくなり、その大きな体は動こうとしない。ピンクの体に、その大きな耳に大量の血が、かかった。


「それじゃあ、次。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

動物車 学生作家志望 @kokoa555

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ