第21話 影を抱く

私の抱える闇は私だけのものだ。

けれど、それで心細さが、すこしでもやわらぐひとつぶの砂のような光になるのなら――

物語にそっと忍ばせ、あなたの傍らに眠りに行くだろう。

共に抱きしめ合おう。

例えばそれが、空気を抱くような包容であろうとも。

存在ることだけは確認できるのだから。

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