後輩が俺のために頑張ってくれるのだが――手抜き過ぎる!
くすのきさくら
健康第一でお願いします――
ニンニクのにおいが――じゃなくて。
ガチャ――ガチャ――。
手錠により手足の自由を奪われている俺。
手足を少し動かしてもしっかりと椅子に固定されている。
そりゃ無理に動けば脱出は可能だろうが――さすがに後輩(女)の家の私物を壊してしまうのは――ダメだろう。
でも――このままで良いのだろうか?
個人的には……というか。俺的にはダメな気がする――。
なぜなら今俺が椅子に固定されている少し先では――手料理を作ってくれている後輩がいるのだが――。
多分口にした瞬間病院送りになる可能性が高いと思われるからだ。
すると、こちらがガチャガチャと動いたからか。
後輩が俺の方を見た。
なお、個人情報保護――というのか。一応今俺が一緒に居る後輩は学校では人気のある後輩なので――こんな一面があると知れ渡ってはいけない気が……まあバレてもいい気がするが。でも一応個人情報ということで名前は伏せておこう。
あっ、そんな個人情報保護により名前を出せない後輩に捕まっている?俺も個人情報保護の観点から一応名前非公開にしておこうか。
いや、後輩の料理食べて死にましたとか――ね。
もちろん死ぬとは確定していないが――。
とかとか俺が思っていると、後輩が笑顔で俺の前へとやって来た。
手には小皿を持っており――。
「とりあえず――先輩。お肉の味見します?」
明らかに生のお肉を持ってきた。
お肉は――鶏肉のようだが――生だ。
「いやいやいや、それ生だから!」
「遠慮しなくてもー」
すると俺の拒否反応が見えなかったのか。一緒に持っていた菜箸でお肉を掴んで――って。
「待て待て待て!」
「先輩に美味しいと言ってもらうためにちゃんと味を確認しないとですからね」
笑顔で鶏肉(明らかに生)の物を近づけてくる後輩。
多分だが――俺の生命の危機!
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