立ち絵の姿で異世界転移!?

マサコルト

第1話 異世界転移

「…と、言うことで本日の動画はいかがだったでしょうか?」

「面白かったと言う人はチャンネル登録と高評価よろしくお願いします!」

「あとXのフォローもよろしく〜」

「「「それじぁ、バイバイ!」」」

とあるマンションの1室、ゲーム実況者グループである《マルチサンサル》が借りている部屋。マルチサンサルは男性2人、女性1人の3人グループだ。そして今撮影が終わったようだ。皆それぞれヘッドホンを机に置き雑談を始める。

「次の編集担当って誰だっけ?」

彼はマルチサンサルのリーダー。マコト・ファンネルの名前で活動している。

「兄さんだよ。ちゃんと順番覚えてよ」

彼女はマルチサンサル唯一の女性でありマコトの妹。ヒロ・ファンネルの名前で活動している。

「まあまあ、最近連日編集で忙しかったからこんがらがってもしょうがないよ」

彼はマルチサンサルのメンバーでありマコトの幼馴染。サトラ・ププルスの名前で活動している。

「とりあえず今日の撮影は終わったから解散でいい?」

とマコトが立ち上がる。

「そうだね。私も本読みたいし」

とカバンから本を取り出す。

「僕は少し片付けてから出るよ」

と机の上を整理し始める。

それぞれが思い思いに行動しようとしたその時…光が部屋を包み込む。

「眩っしっ」

「ちょと何これ!」

「い、一旦外に…」

言い終わる前にあまりの眩しさに3人とも目を瞑る。次に目を開けたとき目の前の景色はいつもの撮影部屋ではなく、幻想的な景色だった。透き通った水が張っている湖、周りには綺麗な花畑が広がっており、湖の中心には、どこか神聖さを感じる大樹がそびえ立っている。

「ちょっ…此処どこだ!?」

「わかんない…てっ、その声兄さんだよね?」

「何を当たり前なことを…てっもしかしてヒロか?」

マコトの目の前には、空色の髪と瞳、髪は肩まで伸びておりいかにも魔女といった帽子を被っている、ヒロの立ち絵の姿をした人物がいた。

「ヒロお前立ち絵の姿になってんじゃねぇか!?」

「それは兄さんもだよ!」

ヒロから見たら、目の前に桃色の髪と瞳、髪は腰のあたりまであるまとめられた2つの束にそれ以外の髪は耳にかからない程度に揃えられていて、タボッとした服を着ているマコトの立ち絵の姿をした人物がいた。

「えっ!!」

マコトは慌て自分の服装を見る。

「マジか!」

「マジだよ!」

「いや、夢かもしれん」

と話していたらサトラが話しかけてきた。

「いや、夢じゃないよ」

「いや分からんぞ」

「さっきほっぺたつねって痛かったから」

「なら現実か…てかやっぱり立ち絵の姿か」

「うん、種族も変わっちゃってるし」

サトラの立ち絵は人間ではなく竜人であり、黒色の捻れた2本の角に黄緑色の腰まで伸びた髪に瞳、そして手の甲に蝶のようなマークがある姿だ。

「これって俗に言う異世界転移ってやつだよな?」

「いや、転生かもしれないよ?」

「どっちも似たようなものでしょ?」

「全然ちげーよ!」

「全然違うよ!」

等といった会話をしていると声をかけられた。

「あの…そろそろいいでしょうか?」

その声がした方を向く。大樹の根本、そこには薄い緑色の髪と瞳をした女性が立っていた。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

立ち絵の姿で異世界転移!? マサコルト @masakoruto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ