第35話

第19部

大激戦その② 2日目 ○○連合のその地元と組織の威信を賭けた闘い 情報戦略その活用と誘導 【Negoshiēshon】 【参謀】と【軍師】 そして交渉の達人の登場


まあ此方側のその情報を提供し、軽く向こうへと。

俺は態と流したんだなっ。

俺が奥深く、連中達のその組織の全貌を。

既に自分の頭と。

その思考能力で探って悟って居るその事と、その様子をだ。

そして逆に、俺に告げたい何かが在るんだろうって事を。

俺は既に知って居て。

それを聞く姿勢で、俺自らが今。

連中達を自分の元へと、呼び込んでいるその事をだ。


例えそうではなくとも、俺のその誘いを。

この○○連合の連中は、必ず受ける筈だ。

そもそも自分達の側が悪い、体裁の悪いこの喧嘩の落とし処を。

俺がの方が提供し、呼び込んで居る事を。

俺が呼び込んだこの2人の内で、少なくとも【参謀】で在るあの野郎は。

気付ける筈なのだからだ。

つまり必ず、この後に起きるで在ろう。

その交渉の場面を。

俺は自らが主導権を持つ、その為にこそ。

敢えて自分から進んで、ヤツ等を呼び込んだ訳だ。


こう言う事ってのは、後手に成れば成る程に。

追い込まれ、その身動きも取り辛く成る。

相手の様子を見て、その要望を見抜き。

常に先手先手を打ち続ける。

主導権ってのはそうして、自分が優位な状況下で。

奪い取り握るモノだ。


(俺)「兎も角昨日校門の前で…俺を待ち受けて居た連中の中へ…やたらと頭の切れそうなヤツ等が2人居た…その2人が恐らく…何等かの交渉をしに…近い内に俺の所へ…来る筈だろう…」と。


そう今朝通学中のその電車の中で、俺はそう自分の中学校の。

その同級生達へ、そう伝えたばかりだ。

処で教室では。


(俺)「おうっ…もういい加減に謝れや…」。


(○○連合の馬鹿)「何この野郎~っ…」。


(俺)「オメエ腕っぷしが弱くて…テメエ1人じゃ所詮…喧嘩も出来ねえんだろうが…???…だからまだ1度も…俺との直接対決へ…出て来てねえじゃねえかよ…そもそもがコレ俺とお前の…その喧嘩なんだぞっ…」。


(○○連合の馬鹿)「煩せえこの野郎~っ…」。


(俺)「煩えせってお前口だけで…意気がってんじゃねえよっ…もう俺はお前って存在のその器を…全て見抜いて…見極めてんだぞっ…だからお前のハッタリも嘘も…俺には全く通用しねえんだっ…俺はもう何時でも…相手ん成ってやんぞ…今此所でもだっ…さあどうすんだ…???遣るのか謝るのか…???テメエも男なら…友達へばかりへ頼ってねえで…良い加減にもう…自分1人で決め遣がれっ…」。


(○○連合の馬鹿)「何この野郎~っ…」。

【ガタンッ…】

【ガタンッ…】


俺の挑発に乗ってその馬鹿が、遂に椅子から立ち上がった。

単に周囲のその体裁を繕った、その張ったりで在るのだが。

俺も直ぐに立ち上がり、その場でその儘。

睨み合いと成った。

其処へだ。


(○○連合の不良I・以降・不良I)「おいっ斎藤…チョット待てよおいっ…それから龍神って言ったよなっ…龍神もチョット待ってくれ…」。


(俺)「何だオメエ等…誰に俺の名前を聞いた…???」。


案のだ、俺がこの学校の連中へ。

気に成るのが2人居ると、頭の切れそうなタイプだと。

「その2人が恐らく…何等かの交渉をしに…近い内に俺の所へ…来る筈だろう…」と。

まさにそう言ってた、その2人だ。

この時僅か経ったの2日、2日間のその間に。

いやもう実質、実質1日だろう。

なんたって昨日の今日だ。

この高校で起きた、その大激戦のその間へ。

俺の言った事と、その考えは。

もうそれがまるで預言者の様に、全て当たってもいる。


そもそもが先ず絶体絶命と言う、人はそんな【死地】や【窮地】へと。

追い込まれると。

人間はその場面で、もととてつもない程の。

最大限のその能力を、発揮するモノだと。

そうした人類の直感と、その本能が。

潜在意識へ潜む能力と、更には前世へ迄も繋がる。

知識や知略や感性が。

過去の自分の記憶を呼び戻し、呼び戻されたそれ等が。

生存の為の、その本能や感覚へと。

繋がり始めた時。

人は普段の自分では、到底発揮する事の出来ない。

別の自分。

その自身の記憶へさえも無い、その姿。

別人を自分の魂の中へと、呼び戻すのだ。


まるで1点を深く、掘り下げて行くかの様に。

何かを見極める為の、その瞳は。

良く良く眼を凝らし。

鋭い眼光で眼を細め、物事を深く。

観察しても居る。

そんな人相の輩はもう、大概の場合。

戦略や知略へと長け、それもかなり手強い。

戦術へも長けた【参謀】、つまりは知略戦略家だ。


コレは対人関係への、その観察力と。

洞察力が持つ、その象徴的な様子だ。

仏教寺院等へと在る、「広目天」の像が。

そんな印象を強く、そして深く持っても居る。

常に左右どちらかの脚を、ユラユラと揺らしながらも。

全体の会話や自分の口調、そのタイミングを。

全て作り込んで居る。

そしてかなり、聞く耳迄をも持つ。

そのタイプは。

その弁も立つ、そんな知性派だろう…???

そしてその能力は、子供の頃から既に。

作り上げて来た筈のモノだ。


こんなタイプは非常に、頭の回転も速く。

周囲へ居る者達を良く良く、観察をしても居て。

自分の答えを常に、それも誰よりも速く。

導き出しても来る。

既に自らが、導き出しでいるその答えや思考を。

逆になかなか悟り、察する事の出来ない。

周囲の者達への、その苛立ちと。


それで居て尚も、行われてもいる。

その会話の中で。

周囲へと合わせた、その場の話の内容と。

会話のペース配分、そして周りを巻き込んで行く。

知略・戦略へと長けた者。

特にその、極めて高い能力を発揮する場所は。

「Negoshiēshon.」(ネゴシエーション)。

つまりは交渉の場、交渉の達人って。

んな野郎な訳だ。


想った通りに、その交渉の達人の2人が。

俺の元を訪れて。

「チョット待ってくれ…」と。

要は話が在ると、そう切り出して来た訳だ。


(不良I)「先ず自己紹介からし様…俺は○○連合の…本田ってんだっ…んでコイツは…」。


(○○連合の不良J)「同じく○○連合の…村上…宜しくなっ…」。


コレも又想った通りに、初めに俺に話し掛けて来た。

コイツ。

【本田】ってヤツが、恐らくは【参謀】で。

もう一人の、今遅れて自己紹介をした。

【村上】ってのが、その下へ着く。

【軍師副長】って、処だろうなっ。

しかしまあこの期に及んで、俺の喧嘩を割り。

一端それを止めて、全く仲裁等もせずに。

自己紹介とは又…???

相~当~に洒落た連中を、送り込んで来たモンだ。


俺はこの2人の背後、その更に上に。

入学式から2日目の今日、今に到る迄の間。

俺の行動やその考えを、一部始終監視し。

集められたその情報から更に、攻略と戦術を練り上げている。

練り上げられたその深い知略からの、戦略から。

作戦の指示を出している、更成る戦略家が居る筈だと言う事を。

この時に既に、悟っても居た。


(俺)「おうっ…今喧嘩の最中で…俺達は漸く…勝負し様って処なんだぜっ…そもそもこの喧嘩を売って来たのも…コイツ自身で…そのコイツが…何時迄経ってもこの当人同士の喧嘩へは…顔も出さねえし…出ても来やしねえから…俺は苛ついてた訳だっ…それが今やっと…遣ろうじゃねかってその時に…今お前等が此所へ…入って来るその余地は…全くねえんだぞっ…又昨日見てえにコイツは…喧嘩もしねえで…全く関係のねえ…違った連中達を…俺は相手にする気もねえし…そもそもそれじゃ~…馬鹿に付き合わされてる…馬鹿見てえじゃねえかよっ…???んなのは此方と…真っ平御免なんだっ…第1俺はそんな…関係のねえ連中達と…喧嘩してる程に…暇じゃねえてんだっ…俺の大切な思春期…青春の時間なんだぞっ…今はっ…」。


(大笑い)


(本田)「おいっ龍神…お前ヤッパリ…かなりの切れ者だなっ…お陰で今…笑わされちまったわっ…想ってた通りだ…こんな状況下で…しかも頓着の効いた…巫山戯(おちゃらけ)た会話も出来るってんだからなっ…期待した通りだ…俺は何よりも先ず…只お前と話して見たかった…それからまあ…筋もそれで通ってるし…お前の気持ちも…もう充分に解るわ…でも其処を何とか…俺達はこうして…しかも2人でだ…話を聞いて貰おうと…態々時間迄作って…こうしてお前に…頼みに迄来てんだぜっ…先ずは話だけでも…取り敢えずよ…聞いて貰えねえかなっ…???」。


こうして誉められて認められ、更には下手に出られて頼まれると。

不良ってのは妙に、そして又変に。

正直で律儀な処が在って。

それを無視する事が、出来はしねえ。

そう言った自分の眷属達の、その特徴を。

コイツは既に、見抜いてもいる。

それでも凡そ、この2人のその性格や。

その性質を、俺も見抜いて居ただけに。

そんなにゃ~俺も、流石に驚きはしなかったが。


しかし此所迄丁寧に、それも下手に出て来やがるとは…???

朝俺が中学の同級生達へと伝えた、その話が既に。

どうやらこの連中達へは、もう伝わっている様だ。

まあ態と伝えたんだ、先手を打ってコイツ等を。

俺が振り回す、その【イニシアチブ】。

その主導権を取る為にだ。

情報戦略ってのはこうして、するモノなんだぜっ。

つまり俺は俺の情報を態と。

コイツ等のその情報窓口で在る、俺の幼馴染み達へ。

小中学校の同級生達へと、話し流したって訳だ。


例え抱え込まれちゃ居なくとも、本来で在るのならば。

先ず向こうへ流す、つまりは漏らす話も。

俺へ一端、コレから行くと。

話を通して措くってのが、筋ってモンなんだが。

まあ全てを上手く熟せるヤツってのも、居る訳がねえんで。

在る程度の問題発生へは、俺も眼を瞑ってるが。

しかしまあそうした、情に流される処が。

又俺のその一つの、その難点なんだが。


俺はこの時既に、この同じ高校へ入学をした。

自分の小・中学校の、その同級生達が。

俺の側ではない、○○連合の側へ。

寝返って居る事を、既に悟って居た。

だからこそ自分の情報を敢えて、その2人へと流したのだ。

まだ顔を見せる事のない、○○連合の。

その番格を引き摺り出す、その為にだ。


(俺)「ヨシ~ッ解ったっ…聞いて遣る…おいっ…その代わりにお前…一端どっか行ってろよっ…」。


(○○連合の・斎藤と呼ばれた馬鹿)「"何この野郎~っ"…」。


(俺)「何この野郎も何も…お前の仲間の友達が…まあ幼馴染みか…???こうして態々…俺に頭を下げての…自分達のその頼み事を…話を聞いてくれって…そう言って来たんじゃねえのかよっ…んで俺は嫌だって…そう言わねえで…んじゃ聞いて遣ろうかって…そうそれに応えて遣ってんだっ…それをお前…顔を見てるだけでも…頭に来るお前が…側に居て…???しかも邪魔をしてるんじゃ…当然俺も真面に…話を聞けねえし…全く話が前に…進まなく成っちゃうだろうが…だからとっとと一端…どっかへ消えてろってんだよっ…おいっ…解ったかこの馬鹿…」。


(一同爆笑)


○○連合の馬鹿、【斎藤】は。

自分の仲間達迄もが笑い出した、俺の話とその口調に。

もう眼を丸くして居る。(笑)


(村上)「おいっ斎籐…今俺達の方が此所へ来て…態々コイツへ頼み事に来てんだっ…此所は俺達の…その顔を立てて…暫く他所へ行っててくれ…話は直ぐに終わるから…」。


(斎籐と呼ばれた○○連合の馬鹿)「……………」。


斎籐と呼ばれた○○連合の馬鹿は、何だか妙にそして素直に。

直ぐに連中の言う事を聞いた。

その場から自分の上着だけを持って、さっさと消えた位だ。

俺はこの様子を見て、この組織のその大きさと。

その規模や。

緻密な迄の、その構成内容をも。

この時既に確信し、見抜いても居た。


相当に大きく、そして統制も取れて居て。

更にシッカリとした組織。

そしてそんな、不良グループの筈だ。

不良グループならばそのネットワークを、恐らくは既に。

東京都内の全域。

或いは近郊他県へも、広げて居て。

ヤクザと呼ばれる程には未だ、未だ未熟。

成長はして居ないのかも知れないが。

所謂学生達。

大学や高校へは勿論、恐らくその手は。

中学校迄にも伸びている。

そんな最新鋭の、不良グループの筈だ。

そしてヤクザの、その予備軍でも在り。

この上にはそれももう間違いなく、そのヤクザの組織が。

ガッチリと繋がっても居る。


しかしその全貌や、得たいの知れないその様子が。

逆に反って、薄ら寒くも想えた。

在日外来人、それも極東亜細亜の。

資金提供源は、ほぼその辺りだろう。

こうして知略と戦略へも長けた、昔の中国で言やあ~まあ。

軍師達迄もが、居る程な訳なのだからだ。

この先俺が一体何処迄…???

それに抗えるのかと…???

些か不安にも成ったモノだ。


(俺)「あっ…行っちゃったよっ…」。


(爆笑)


(俺)「んだあの馬鹿…又少々此処でもゴネルのかと想ったわっ…ゴネりゃいよいよ俺と…直接遣るしかねえんだし…期待してたのによ~お~っ…とっとと居なく成っちめえやんのっ…???相変わらず肩透かしな…もうどうしょうもねえ野郎だなっ…あの馬鹿野郎はっ…」。


(大笑い)


(俺)「処で話ってなんだ…???」。


さあいよいよ態々此処へ来た、2人のその1つ目の交渉は成立をした。

ってかその前に、この俺のクラス全体。

まあこの時に居たのは、それでも20人弱だったが。

それでもその公の場で俺は自分の、最も得意な討論で。

あの馬鹿なヤツへ、【斎藤】へ恥を掻かせた訳だ。

つまりはもう充分な迄に、俺の反撃とその復讐は。

この時点で完了をしている。

まあそう言った意味でも俺は、この場の駆け引きで。

再び俺は又、自分の勝利を納めたって訳だ。


著者・龍神 武明

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