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「まりあ先生は外国の人なんですか?」まるは隣のブランコに座っているまりあ先生に言った。
まりあ先生は金色の美しい髪の毛を三つ編みにしていた。銀縁の眼鏡の奥にある大きな(優しい)目は澄んだ湖のような青色で、肌は白くて、背は小さく、まるでお人形さんのようだとまるは思った。
「はい。そうですよ。フランス生まれです。でも子供のころから日本にいますし、日本での暮らしのほうが母国よりも長いですし、異国で暮らしていると言う感じはありません。ほら、日本語も全然変じゃないでしょ?」(確かに全然変じゃなかった)
まるは外国の人に会うことが初めてだったのでいつも以上に人と会話することに緊張してしまった。
「まるちゃんに会うのも初めてではありません。少し前に道で声をかけました。覚えていますか?」
まりあ先生の言葉を聞いて、ようやくまるはあのときの優しい声に人がまりあ先生であることに気がついた。
「覚えています。あのときはありがとうございました」とお辞儀をしながらまるは言った。
「どういたしまして」と笑いながらまりあ先生は言った。
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