第10話

廊下から衣擦れと足音がする

コトコト…コツコツ…シュッ…シュッ…


僕は教授とビリーの手伝いをして

勉学と研究に励んでいた…

だから…夜はぐっすりと寝れるはず…

そのはずなんだが…ウトウトする頃に


ん~~うるさい!


僕は跳ね起き、息が荒くなっている

カチャ…

水差しの水をゴクリと飲み込んだ

廊下から足音がしている…


一体、誰だ?

……あれ?

部屋のドアを開けたが

廊下は静かな闇に包まれている


僕の部屋のドアの右側に

小さな物置のドアがある

物置は一畳ほどのフローリング

スーツケースはそこ置いてある

足音は物置の中からしていた…


鍵はかかっているはず…

物置の鍵を開けた

ギギギ…

金具の軋む音


へっ!?

…………うわッ!

物置のドアが開き明かりをつけた刹那

顔面20センチに婦人の首をみた

首は両手に大切に抱えられていた

尻もちをついた僕の体を通り抜け…

壁に吸い込まれていった


ウッ…なんだ?あれ

左手の薬指がなかった…

首のない胴体…首…笑ってなかったか?




どうしたね? ジョウ


教授…すみません


大丈夫かい?


ハイ…なんとか


一杯やろうか…ジョウ




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