第7話

些か酔がまわって

ビリーと僕は、ロンドン塔へ向いながら

左手にビッグベーンを眺め橋を渡った

橋の中央あたりに街灯がある


そろそろだよ

ビリーは腕時計を見た


僕らは街灯から少し離れた場所で

立ち止まる…なんだろう? 

空気感がそこだけ違う…ん~~

酸っぱい香りの香水をぶちまけた感じがする


不思議だろう? この場所だけなんだよ

そして、今日の今の時刻になると

鼻につくくらいに香るんだよ

ビリーが、アンブーリンの話を

切々と語ってくれた…ここで彼女の死に様を

見せているんだよ


何か冷えてきましたね

背筋がゾワゾワとする

………あちらこちらで、人の声がする

あたりを見渡しても人気はない……


さぁ…ショーが始まる

ビリーが円形の石畳みを見つめた

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