takt op. ~Story of Resonance~

@GreenTea47

第一話 響クロと木星(じゅぴたあ)

ムータ「…これはめずらしいむぅね」


ヒルデ「おい、もう動いていいぞ」


???「…う〜んいてて、頭がぼーっとする…」


ムータ「のんきなもんだむぅ」


???「あれ、記憶あんじゃん」


ムータ「あたりまえだむぅ!コンダクターは記憶なくならないむぅ!さっき説明したむぅ!」


???「ああそうだっけ?すまんロボ太」


ムータ「ムータだむぅ!!!!」


ヒルデ「…改めて自己紹介をしてみろ」


クロ「俺のなまえは響(ひびき)クロ。コンダクターになるためにここにきた。オレンジジュースと煎茶が好き」


ヒルデ「問題なさそうだな」


クロ「ありがとうヒルデさん。無事コンダクターになれました」


ヒルデ「たわけ、ここからが本番だ。気を抜くな」


クロ「へへ、厳しいなあ。…で、俺に就いてくれるムジカートは?」


ムータ「それが選ばれなかったむぅ。だから自分で探していくしかないむぅ」


クロ「ええ!そんなことあんの?」


ヒルデ「なぜかは分からんが、ないものはない」


クロ「あちゃ〜、結構楽しみにしてたのになぁ」


ムータ「ムータの話をちゃんと聞かないからバチがあたったむぅね」


クロ「だって話なげーじゃんわかりにくいし」


ムータ「むむ!!まだ言ってるむぅ!」


ヒルデ「ともかくだ。挨拶も兼ねてムジカート達に会ってみろ。話はそこからだ」


クロ「そうですね、そうしてみます」


ムータ「まったく…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「ここがメインホールか。広いなあ」


ムータ「そうだむぅ。地図は読めるみたいむぅね」


クロ「他のコンダクターさんたちはどこにいるんだろう」


ムータ「今ちょうど食堂でご飯食べてるんじゃないかむぅ?」


クロ「そっか、まずは先輩たちにあいさつしよう」


ムータ「それがいいむぅ。先輩にしょっぴいてもらうといいむぅ」


クロ「悪態ばっかつくなあ」


ムータ「当然だむぅ!ムータのこと完全に舐めてるからだむぅ!」


クロ「そんなへそ曲げんなよ…あ、へそねえか」


ムータ「むむむむむゔゔゔぅぅぅ!!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「わぁすげえ、立派な食堂だなぁ!」


ムータ「当然だむぅ!シンフォニアを舐めるでないむぅ!」


クロ「あっ、あそこにいるのが先輩たちかな?」


ニコラ「あ!もしかして新しいコンダクターくん?」


クロ「そうです!響クロと申します。お食事中失礼してすみません」


ニコラ「僕はニコラ。そして、こっちが」


アヴリル「そうよ!挨拶するにしても食事中になんて無礼よ!」


ニコラ「いやアヴリル、そんなに厳しくしなくても…」


アヴリル「ニコラは優しすぎよ!でも、この先輩に挨拶しにきたことは褒めてやるわ!」


クロ「はあ」


アヴリル「はあ、ってなによ!」


ニコラ「ごめんねぇクロくん、アヴリルはほんとはすごく優しくて、それに…」


クロ「俺、先輩風吹かしてくるやつ苦手なんすよねぇ」


ムータ「うっわ、でたむぅ」


ニコラ「え、えぇ…」


アヴリル「なっ、、、なっ、、、、!!」ワナワナ


ムータ「まずいむぅ」


アヴリル「なによその態度はぁ!!!」バァン


クロ「うわやっべ」


ニコラ「ひぃぃ!!」


クロ「とりあえずニコラさん、これからよろしくです。それでは!」


ニコラ「あ、ぇうん」


アヴリル「こるぅぁああ!!まちなさい!!」


ニコラ「アヴリル!落ち着いて!料理がひっくり返っちゃうよぉ!あああ!!」ガシャーン


ムータ「…しーらないっと」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「ひぃ〜、危なかったな」


ムータ「絵に描いたような自業自得むぅね」


クロ「あとは朝雛タクトさんだな」


ムータ「タクトは今任務にでているむぅ。たぶんもうじき帰ってくるむぅ」


クロ「そっか。じゃあエントランスに行くか」


タクト「よし、今日は問題なしだったな」


運命「お疲れ様でした、タクト」


タクト「うん、運命もお疲れ様」


ムータ「お、グッドタイミングだむぅ。あれが朝雛タクトだむぅ」


クロ「こんにちは、お初にお目にかかります」


タクト「これはご丁寧に。はじめまして」


クロ「はじめまして!本日からコンダクターになりました、響クロと申します」


タクト「ああ君が!これからよろしくね!」


クロ「はい!そして、お隣にいらっしゃるのが…」


タクト「ムジカートの運命だ」


運命「はじめまして、クロさん」


クロ「はじめまして!よろしくお願いします!」


運命「はい、よろしくお願い致します」


タクト「クロくんは、これからどうするの?」


クロ「実は、僕に就いてくれるムジカートを探しに行くんです」


タクト「あれ、事前に決まるものじゃ…」


ムータ「タクトも同じようなもんだむぅ」


タクト「あっ、そうか…」


運命「立ち話もなんですし、このあとお茶に致しませんか?」


タクト「いいね!そうしよう!」


クロ「いいんですか!?ありがとうございます!」


ムータ「いいのかむぅ、カンカンのアヴリルがまだいるかもしれないむぅ」


クロ「あっ」


タクト「ん?アヴリルがどうかしたの?」


クロ「いえ!一瞬トレーニングルームだけ確認してきますので、お先に行っててください!」


タクト「わかった、食堂で待ってるね」


運命「お茶とお茶菓子の用意もありますので、ちょうどいいかもしれません」


クロ「ありがとうございます!すぐに行きますね!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「勢いでトレーニングルームって言ったけど、特に用事はないな」


ムータ「まぁ見とくのに損はないむぅ」


クロ「そーだな」


ムータ「ところで、クロは好きなクラシック音楽とかあるむぅ?」


クロ「そんなに詳しくないけど、ハマったきっかけはグスターヴ・ホルストのジュピターだね。あれは素晴らしい」


ムータ「ふぅん」


クロ「聞いといて興味なさげだなおい」


ムータ「ないむう」


クロ「じゃあなんで聞いた」


ムータ「暇だったからむぅ。ムータ様の優しいお気遣いだむぅ」


クロ「でも、ジュピターのムジカートがいたら会いたいな。探してみよ。サンキュームータ」


ムータ「…普通に感謝されたらされたでちょっと心地悪いむぅ」


クロ「どうしようもねぇなお前」


ムータ「そりゃあんただむぅ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「トレーニングルームもすげえな。設備が豪華」


ムータ「そうだむぅ。もっと感心するがいいむぅ」


木星「はっ!やぁぁっ!!」


クロ「おっ、誰かトレーニングしてるぞ。すみませ〜ん」


木星「はっ…とぉ、誰だ?」


クロ「トレーニングの邪魔してすまない、ジュピターっていうムジカートを知ってるかな?」


木星「じゅぴたあ?誰だそれ?」


ムータ「ぷっ、くくっ」


クロ「どうした、急に吹き出して」


ムータ「ふっ…なんでもないむぅ」


木星「そいつ探してんのか?」


クロ「まあもしいれば会いたいなって感じ」


木星「ふぅん。で、あんた誰?」


クロ「ああごめん、新しくコンダクターになった響クロだ」


木星「新人コンダクターか!なるほどな!じゃあそのじゅぴたあ探すの手伝ってやるよ!」


クロ「ありがとう!まず情報収集のためにタクトさんたちとお茶するんだけど、一緒にどう?」


木星「おー行く行く!ちょうど腹減ってたんだー!」


クロ「よし、いこう!」


木星「おう!」


ムータ「…面白いことになってきたむぅ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「すみません、お待たせしました!」


タクト「お!来た!」


運命「ちょうど準備ができました」


木星「おいっすー、私も参加するぜぃ」


タクト「お!運命が言ってた通りだ」


運命「1人分余分に用意しておきました」


木星「さっすが運命!」


タクト「じゃあ、クロくんの歓迎会も兼ねていただきます」


クロ「ありがとうございます!いただきます!」


木星「うひょ〜、うまそうだな!」


運命「あまり食べすぎると体に悪いですよ」


木星「うっ、わかってるよ…」


ムータ「人探しはどうなったむぅ?」


木星「そうだそうだ、なあタクト、じゅぴたあってやつ知ってるか?」


運命「んぶっふ」


タクト「わあ運命が紅茶吹いた!珍しい!」


運命「す、すみません…」フキフキ


タクト「…えっと、どうしてその人を探してるの?」


木星「クロ、説明してやれ」


クロ「僕の好きなクラシックの曲がグスターヴ・ホルストのジュピターで、その名を冠したムジカートに会いたいんです」


タクト「なるほどなあ〜…」


木星「ホルスト!私も知ってるぞ!」


運命「んばふっ」


タクト「わあ今度はマフィン吹いた!顔も真っ赤!」


木星「大丈夫か?」


運命「…あ、あなたという人は」プルプル


木星「?」


タクト「えーっと、じゃあ木星、自己紹介してくれる?」


クロ「えっ、もくせい?」


木星「おう、私が木星だ!」


クロ「ホルストの?」


木星「そう」


ムータ「ひぃーっひっひっひ!!もう我慢出来ないむぅ!傑作だむぅ!!」


クロ「…さてはわかってて黙ってたな?」


ムータ「運命の気持ちが痛いほどわかるむぅ!!ひぃーっ!」


クロ「くそぉー、一杯食わされた」


木星「え?なにがだ?」


タクト「木星、木星は英語でジュピターって言うんだ」


木星「へぇー…ええ!?じゃあじゅぴたあはあたしのことか!?」


タクト「今頃か…」


運命「…こんなにはしたないことをしたのは初めてです」フルフル


タクト「運命…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


木星「ふぅーっ、食った食った!」


運命「ごちそうさまでした」


クロ「まさかもう会ってたとはなあ」


タクト「ははは。ここからは木星も一緒にシンフォニアを見てまわったらどう?」


木星「えーっ、私トレーニングしたい」


運命「一緒に行きなさい。さもないと…」


木星「わかったわかった!拳をさげろ運命!なんか運命がキレてる!」


クロ「タクトさん、改めてこれからお世話になります!」


タクト「うん!よろしくね!」


木星「しゃあねえなぁ…。行くぞ、クロ」


クロ「はいよー。お二人とも、それでは!」


タクト「いってらっしゃい!」


運命「お気をつけて」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


木星「…これでひととおり周ったかな。どうだ?」


ムータ「シンフォニアの素晴らしさを理解したかむぅ?」


クロ「うん!ありがとな木星、よくわかったよ。何人かムジカートたちにも挨拶できたし」


ムータ「無視すんなむぅ」


木星「あたしはトレーニングに戻るけど、あんたはどーすんの?」


クロ「うーん、一回ヒルデさんに報告してこようかな」


木星「了解!なんかわかんないことあったらまた聞けよな!」


クロ「うん!ありがとう!またな!」


木星「おうよ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クロ「…という感じで1日を過ごしました」


ヒルデ「ご苦労。ムジカートは決まったのか?」


クロ「いまのところ木星ですかね」


ヒルデ「いまのところとはなんだ」


クロ「いや、ひととおりご挨拶はしたんですけど、こいつに決めた!っていうのはなかなか」


ヒルデ「まあ確かに難しいか。ポ◯モンじゃあるまいし」


ヒルデ「では、明日からは木星と行動を共にしろ。本人にもそう伝えておく」


クロ「かしこまりました。ありがとうございます」


ムータ「…危険なコンビだむぅ」


ヒルデ「お前が子守をしろムータ」


ムータ「そうなるむぅよねぇ…」


クロ「なんかあったらムータのせいな」


ムータ「マジで調子乗んなむぅ」



第一話 響クロと木星(じゅぴたあ) 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る