第4話 1人は飽きた

中学に上がって、ある日を境にずっとイライラしていた。


母もそれを肌身に感じていて、様子を見ていた。


そんなある日なにかの拍子で母に


「あぁ?」と返した。

さすがに母がキレた。


「あんたね。最近なんなの。どういうつもり?」

「うるせぇ。関係ねぇだろ!」

「…なにが気に食わないの。」

「全部!!」


「あたしも?」

「違う!!母さんは関係ない!」


すると母は吹き出して笑った。


「あんたね、そこは即答なのね。」

「なんで笑うの!!」

「…話してみたら。何があったの。」

「…彼女出来た。でも気に食わねー!母ちゃんじゃない!!でもみんな彼女いるからいない方が変だし、でも俺は母さんがいい。なんで母さんじゃだめなの?!」


「…可愛い。そんなことで悩んでたんだ。」


母はそんな僕を優しく包み込んだ。


「沢山悩みなさい。沢山悩んで答えを見つければいいの。」

「答えは出てんの。俺は母さんがいい。」


僕は少し背伸びして母に唇を重ねた。



「…誰もあたしには勝てないね」

「勝てない。」



――――――――――――翌年。


ある夏の夕方、夕飯を作る母がタンクトップでキッチンに立ってる姿に興奮して、後ろから抱きしめた。


「火傷するよ。」と母。

「もうしてる。」


母は僕の方を向いて僕にキスした。


僕はこの時初めて舌を入れた。


「どこで覚えたの。」と母。

「まだ役不足?」


「汗臭いよ。」

「いい。この匂い好き。」

「まだ早いよ。」

「早くない。1人でするの飽きた。」

「…イケないこね。」



この後僕らは結ばれた。

母さんに導かれながら、どんどん沼にはまって行った。

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