君がくれたスカビオサ
章魚蘭
プロローグ
春になった、、、らしい。
理由も目的もなくつけていたニュース番組のお天気コーナー。
嘘っぽい笑顔を貼り付けたお姉さんが「もう、すっかり春ですね」といった。
そういえば暖房をつけなくても平気になっていたな。ベットから体を起こし壁にかかっている鏡に映った自分を見た。ボサボサの長い髪に花の高校生とは思えないぐらいやつれた顔。そんな自分の姿を見ても特に何も思わない。しばらく
ボーッと自分の顔を見ているとまたテレビから「春といえばお花見ですね」という今度は若い男の人の声が聞こえた。
そうか、、、春か。ふと今は何月なのか気になり、枕元に置いてあるスマホの電源をいれる。ホーム画面を見ると4月3日と書かれていた。あー三ヶ月。もう三ヶ月も経ってしまっていたのか。あれから、、あの日から、、
君が自殺したあの日から。
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