プールデート:2人の心の距離 .。o○ ~翠瑠璃外伝~

アフロもどき

プールへ行く

プール、瑠璃の準備

.。o○☆彡


 翠夢と、瑠璃、このカップルはプールに向かっている。電車に揺られている。デートとして来ているようだが、本来どちらもプールに行くタイプではなかった。


 ことの発端は、翠夢が親からプールへのチケットをもらったことである。親と行きたがるわけがなく、兄弟もわざわざ行くタイプではなかった。行くとするなら兄よりも恋人とである。

 プールに行く時期もズレているとしか言いようがなかった。試しに瑠璃に提案してみた。

「とあるところからプールへのチケットが手に入った。2人で行ってみるか?」

「うう…行ってみたくはあるけど、準備しないといけないし、恥ずかしいし、それに、満足できるかわからないし…」

「満足?」

「あう、男の人って、女の子のいろいろが好きだって聞くし、それで大丈夫かなぁ…」

「それなら大丈夫だ。そういう点で言うなら、君に満足できないということはない。もしセクハラっぽいと思ったら申し訳ない。謝る。でも、君が一番似合うと思うものであれば、俺は受け入れる」

「…それなら、行ってみようかな…心配なことそれを受け入れてくれるなら…」

「ありがとう。行ってくれるんだな。後、瑠璃は泳げるか?泳げなかったり、不安なことがあったら教えようと思う。」


「それなら、〇月〇日に駅集合で。内容的には、屋内のプールだから」

「えっ?そのプールって…別の日でもいい?」

「どうした?まずいのか」

「そういうわけじゃないけど…遊べるプールが増えるタイミングがあるから、その時にしたい」


.。o○☆彡


 瑠璃は、プールに行く約束をしてしまった。即ち、何処かで肌を普通以上に露出しないといけない。翠夢は納得してくれるだろうか。

 

 母親と姉と一緒に水着を買うことにした。

ほかにも、眼鏡の姿でいられなくなる。外すより掛けていたいたほうがいいと言われているが、さすがに無くすとまずい。泳ぐときは掛けられないだろう。

 このことから、水泳時のための度付きゴーグルを購入した。

 最大の問題が水着。肌を露出したくない瑠璃にとっては、あまり着たいものではないが、かと言って目立ちたくもない。自分に似合うか、いろいろ試着してみる。


 まず母親と姉が薦めてきた、露出の高いビキニと呼ばれる水着。

「……」

「みんな着たがっていたし、あなたにも似合うと思ったけど」

「瑠璃にはちょっと雰囲気と合わないかもしれない」

「他の子と似たような水着にしようとしたけど恥ずかしい。翠夢さんの前じゃこれは着れないよ…」

 瑠璃は細めではあるがバランスは悪くないプロポーションである。しかし、元が恥ずかしがりなのと、見えてしまう可能性を考えたら、着れないと考えたようだ。


 次は、競泳水着。

「一応泳げるけど、どうかな…」

「似合ってるけど、遊びに行く水着ではないわね」

「同じ。お姉ちゃんも難しいかな。でも、プールに泳ぎに行くなら、清楚な雰囲気とバランスがいいと思うわ」

「本気で泳ぐわけでないから、別のものにしよっと」

本気で泳ぐには良い水着であるが、そういうわけでなく、遊びと言うには難しい。また、身体のラインが隠しきれないので難しかった。


 セパレート型水着。

「ちょっといい感じ」

「いい感じだけど、スポーツ向けな感じが」

「スポーツ向けなのが合わないかな」

「お姉ちゃんと行くときなら、これがいいかな」

露出度が抑えられた。しかしそれでも、恥ずかしさが抜けきれず、スポーツ系になってしまうのが悩みだった。


 シンプルなワンピース水着。

「ちょっと地味かな」

「雰囲気には合うけど、色が」

「可愛い感じにしたほうが」

「もう少し考えてみるね」

露出度は低いが身体のラインが出てしまっておりこれも難しかった。


 結局うまく合わない感じであったが、自分で考えた水着が見つかった。身体のラインがあまり出ず、露出も抑えられて可愛い水着が。


 選んだ水着は4点用意されている。まずビキニの上と下、これで2点。その上に清楚なワンピース水着を重ねて着る。さらに、キュロットスカートも同時に着る。スカート以外は何とか単体で機能するデザインで、見えてしまう問題は露呈しないはずだ。

 最終的に、これで決めることにした。露出を抑えつつ、可愛くて自分に似合う水着。きっと大丈夫だ。


.。o○☆彡


 瑠璃は、このプールでやりたいことが他にもあった。それを実行するには、イメージトレーニングと、練習が必要だった。水に慣れないといけない。


 そのために、風呂に水着で入る。そこで、息を止める練習をした。

 久々であったが、苦しくならずに60秒止めることができた。これだけ止められれば、やりたいことがすべてできるはず。


 




 そして、当日がやって来た…

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