第九話 皇女様アタック

どうもお久しぶりです。hi9h1and3rsです。


何故かよくわかりませんが、先日カクヨム公式様よりレビューを頂いたこの駄作が、見る見るうちにPVやらフォロワー様やらが増えた様ですので、

私の個人的な心のモヤモヤを解消するためにも、本作を真の完結まで誠心誠意頑張って書き上げたいと思います。

どうか、引き続き応援よろしくお願い致します。m(_ _)m

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__ルナとのデートがあった日から翌日


「えーと……俺が皆んなから慕われていることは知ってる。一応な。んでもって二日連続でデートに誘われたことについても何も言わないでおこう。だが、何故総督府を選んだ?」

そう言って俺はネイビーブルーの士官服をキッチリ着こなしたソフィーを見下げる。


「心配しなくても総督府で一日過ごすなんてことしませんよ。ここが目印になってわかりやすいかなって思ったので集合場所に選んだんです。」

ソフィーは少し怒って頬を膨らませるが、幼女的容姿も相まって、ただの可愛いの権化にしか見えない。


怒っているのに俺が和んでいるのを見てソフィーは途中から不思議そうにこちらを見つめ返し、数秒の沈黙の末、遂に俺が耐え切れなくなり、顔を背けた。


「ふふーん。」

ソフィーは自分でもよくわかっていなかったらしいが、それでもなんと無く勝てた事に対して喜んでいた。


「で、今日はどこに連れていってくれるんだ?」

俺は気を取り直して尋ねる。


「大通りを散策しようかな、と思ってます。」

ソフィーは目の前の大通りを指さして答える。なんて言うか、王族のソフィーにしては庶民的だな。


これは俺の勝手な想像だが、恐らくソフィーは、生まれてこの方ロンドンどころか、宮殿からすらも出たことが無いのだろう。だからこそ本国すらも遠く離れたこのジブラルタルではしゃいでいるのか。


「まあ確かにほとんど港より内陸には行かなかったしな、どこから行こうか?」

そう言って俺はソフィーの指差す先に立ち並ぶ露店を見渡しながら尋ねる。


「お恥ずかしながら、私もあんまり何がどうなのかわかんないんですよね……だ、だから艦長と一緒に色々見て回りたいなって……ダメ、ですか……?」

ソフィーが上目遣いで尋ねてくる。いつもキッチリしていて、何事にも順序を付けて的確に行うソフィーにしては珍しいことなので、特別感が増して、ついつい首を縦に振ってしまうのは不可抗力だろうな。いや、絶対そうに決まってる。


「あ、ああ。是非そうしよう。それじゃ、こっちの店を見てみるか?」

そう言って俺は半分頭が回らなくなっており、確認もせずに適当な建物に近づく。


「あの、そこ娼館って書いてありますよ……?」

そう言われて慌てて看板を確認すると、大きな文字でその手のことを意味する謳い文句が書かれていた。


「あっいや、その、たまたま確認してなかっただけであって!!」

俺は大慌で否定する。


「いえ、良いんですよ、私と一緒に居るのがそんなに嫌なら勝手に行ってくれても……」

先ほどまで喜びに満ちていたソフィーの表情がみるみるうちに暗くなってゆく。


「ち、違う!!断じてそういうつもりじゃ無かったんだ!!」


「嘘つかなくてもいいですよ、私に魅力が無くて一緒にいてもつまらないから行こうとしたんですよね!!」


「そんなわけないだろ!!どんな思考回路したらソフィー見たいな可愛くて俺みたいなのを遊びに誘ってくれる子を無視できるんだ!!」

俺はただ否定がしたいがために語気を強めて言う。


「ヒューヒュー!」

「よく言ったぜ、にいちゃん!」

「お熱いねぇ!!」


『身長の高い男が何やら小さい女の子と揉め事を起こしている。』

今俺たちを取り囲んでいる大衆はそう思ったらしく、気づけば俺たちは隣の大道芸人よりも目立っていた。


「そ、ソフィー、とりあえずこの場は一旦鉾を収めて逃げないか?」


「異論ありません……」

合意した俺たちは走ってその場から離れ、暫くは大衆を撒くのに精一杯となった。






「ふぅ、ようやく俺たちに興味が失せたみたいだな。それと、さっきはその、ごめんな。」

俺は頭を下げてソフィーに謝る。


「頭を上げてください‼︎私がムキになったのがいけなかったんですから。」

先ほどとは逆に、ソフィーが俺の言葉を否定して謝り返す。


「気にするなよ。元はと言えば、わかっていなかったとは言え、娼館なんかに入ろうとした俺が悪いんだから。さ、ひと段落ついたら腹が減ってきたな。何か食べよう。あの店とかいいんじゃないか?」

そう言って俺は今度こそまともなサンドウィッチの店を指差した。


「これ、肉をパンで挟んでるんですかね?宮殿では食べれない味で美味しいです。」

ソフィーは皇族らしく上品にサンドウィッチを頬張る。皇族の食べる料理と植民地の屋台飯を比べるのはどうかと思うが、純粋なソフィーなりの褒め言葉として俺は聞いておく。


「確かにこれは上手いな。直ぐに平らげてしまいそうだ。これを食べたら何か艦の皆んなに土産でも買いに行こうか?」


「いいですね。さっき走ってた時に面白い骨董品店がありましたし、次はそこに行きましょう。」

ソフィーはそんな事を言っている間にサンドウィッチを食べ終えたので、そのまま俺たちは直ぐに次の店へと歩いて行った。





「この変なマスク、とっても面白いからお父様にあげましょうか。あっ、こっちの方位磁針、形が可愛いですよ!ルナさんにあげましょうか?」

ソフィーは店内に入ると今まで見たことないような様々な骨董品に目を輝かせて手当たり次第に手に取る。

しかし、そのヒゲのマスクはちょっと不味いんじゃあ……


「うーん、ルナにはこっちの装飾入りの日誌カバーはどうかな。この櫛はフィッツロイにあげようか。毎日髪を整えるのが大変そうだったからな。」


まあ、俺も俺でこんなところ初めて来るのではしゃいでいるので、態々あんなツッコミを入れるわけもなく、店内の面白そうな物を取っては戻していた。


「いいですね、デザインも可愛いですし、きっと皆んな喜びますね。」







__そして夕方


「ふぅ〜、満足満足。それじゃ、艦に戻ろうか?」

俺は手に土産を持って、満腹の腹を摩りながら尋ねる。


「さ、賛成です。これ以上はどこにも行けないです……」

そしてまた、ソフィーも俺と同じような状況に陥っていたのだった。





「助けてっっ‼︎‼︎」

二人で談笑しながら帰路に着いていたその時、正面からシルバーの綺麗な髪色をした少女が俺たちの方へ走って来た。


少女が近づいてくるにつれ、少女は背後から迫り来る四,五人程の男から追いかけられていることが瞬時に理解できた。


「ちょっ、そこの貴方!助けて‼︎」

少女は俺のガタイや、若しくはネイビーブルーの肩章入りの制服から強いと見たのか、俺たちに近づくやつ直様、俺の後ろに隠れ、助けを仰いだ。


「助けって言われてもだな……」

俺がなんと返すか迷っていると、追いかけていた男たちが遂に追いついた。

なんとか話し合いで解決できるといいんだが……


「その制服、お前アルビオンの犬だろう?いくら海軍士官だとしても五人相手は難しいだろう?さっさっとその小娘を引き渡せば俺たちゃ何もしないぜ?」

あ、これダメだ。目がマジな奴だ。


「はぁ……あんまりここで遣り合うのは望ましくない。それに、アルビオンのお膝元で俺を攻撃するのは危険だろう?」


「ハッ!んなこと知ったこっちゃねえさ。俺たちゃそいつを捕まえてイスパニアに届けるだけで金がもらえるんだ。どうだ?お前にも幾らか分け前をやろう。ほら、さっさっとそいつをこっちに渡しな。」


「どんな事情があるのかなんて知ったこっちゃないさ。アルビオン帝国の正規軍人が、こんな幼気いたいけな少女を攫うことに協力する気はないに決まっているだろうが。」

俺はそう言って腰に下げていたサーベルを引き抜く。すると、最早懐柔は不可能と判断したのか、男たちはナイフを取り出して俺を睨む。


「さて、なってしまったものは仕方ない。ソフィー、俺がカウントダウンで奴らに突っ込むから君は彼女と一緒に近くの物陰にでも隠れてくれ。それと、俺が危なかったらすぐに逃げるんだ。いいな?」

俺は敵を睨みながら後ろにいるソフィーに向かって喋る。


「い、イエス・サー……どうか、ご無事で。」


「ああ、もちろんさ。いくぞ、三,二,一。走れ‼︎」

俺はそのカウントダウンと同時に前に駆け出し、後ろからはソフィーが少女の手を引いて走り出す音が聞こえる。


「どうか、無事に着いてくれよ。」


「ブツブツ呟いてんじゃねぇよっ‼︎おい、お前らこっち来い‼︎」

リーダー格の男がそう叫ぶと、人混みから更にナイフを持った五人が現れる。


「最初から全員出てこいよなクソッタレが……」

俺は悪態と共に思い切り踏み込んでサーベルを振り上げる。


__一〇分後


「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ……クソがっ‼︎全く歯が立たねぇじゃねぇかよ‼︎今日のところはこれで、勘弁してやるよ‼︎おらお前ら、はやくズラかるぞ!」

リーダー格の男は遂に負けを悟り、倒れた仲間たちを引っ張って近くの路地へと逃げていった。


「艦長‼︎」

ソフィーが急いで俺の下に駆け寄る。


「ソフィー、無事だったか?」


「はい。勿論です。艦長こそ大丈夫なんですか⁉︎」

ソフィーは心配そうに俺を頭から爪先まで、少しの傷も見逃さないくらいの気迫で見渡す。


「ああ、思ってたより強くなかったしな。それより、急いで帰った方がいい。いつ追手が来るからわからん。君も来るかい?それとも、両親の方へ?」


「つ、ついてく……」

小さな返事が返って来たのを確認し、俺たちは足早に艦へと戻った。


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 次回 亡国のお姫様お楽しみに!

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