二度目のダンジョン‼~内部には変化?~
ベルドの街でレストランを再度始めて四ヶ月、朝起きて店に入ると店員さんから連絡が来た。
「四ヶ月経過しました、二ヶ月はどこか別の場所で店をやらないと再びここで営業できません」
「教えてくれてありがとうございます」
私は店を無くし、神王様達とギルドへ向かう。
「と言うわけで二ヶ月は別の場所で滞在します」
「そうか、もうそんな時期か……」
ギルドマスターさんはしょんぼりした様子です。
「に、二ヶ月したら戻って来ますから!」
「おお、その日まで金稼いで待ってるぜ」
「はい!」
「うむ、では予定通りダンジョンへ向かうぞ」
「ダンジョンかー……」
ちょっと憂鬱。
「お前のレベルが上がれば良い事が起きるのだろう? なら上げにいくぞ」
「紅き王! 引きずらないでー!」
まぁ、その後は神王様達に背中に乗って、ダンジョン都市ベルディへ再び訪れた。
「カズエさーん!」
トライさんが駆け寄ってくる。
「神王様達もお久しぶりです!」
「早速だがダンジョンへ潜る」
「ちょっと待ってください、紅き王」
「何だ」
「試したい事があるんです」
「分かった」
私は空き地に行き声を出す。
「旅するレストラン!」
そう叫ぶとレストランが現れる。
そのまま紅き王に乗ってダンジョン一階に潜り。
「旅するレストラン二号店!」
と叫ぶ。
扉が現れた。
それを放置して、戻る。
地上のレストランは消えてない。
「うん、これなら大丈夫そうです」
「考えたなカズエ」
「わぁ! カズエさん、有り難うございます!」
「では潜るぞカズエ」
そう言って紅き王達を私はダンジョンに潜ります。
一階の二号店を消して、紅き王達は私と共にダンジョンへ潜ります。
前回同様休憩スペースのあるフロアに到着すると、赤き王がせっつきます。
「カズエ」
「分かってます」
私はすぅと息を吸い込みます。
「旅するレストラン二号店!」
扉が現れました。
中に入ると少し狭いけどちゃんとお店になってました。
「カズエ」
「はい」
「オーナーいらっしゃいませ」
「メニューをこの方達にも、代金は取らず。私の大切な方々です」
「はい、畏まりました」
いつものように言うと、メニューに目を通す。
メニューの数は減っているが、それでも豊富だ。
「オムライス下さい、その後イチゴパフェを」
と、私が注文すると、神王様達が次々と注文する。
レストランの種類からメニューは外れてるような気もしないでもないが、満足できるのならそれがいい。
ファミレスの規模がおっきいバージョンと考えれば納得できる。
その後、冒険者の方々も入って来て、料理に舌鼓を打った。
で、全員居なくなってから、店の扉を消し、再度ダンジョンの奥を目指す。
以前は砂漠だったが──
「うう、見てるだけで寒い」
極寒の大地へ変貌を遂げていた。
「寒いところはいやねぇ」
「さっさとフロアボスを狩って終わりにするぞ」
「は、はい!」
紅き王はそう言うと、私を乗せて走り始めた。
二時間ほど走り続けて、祭壇を見つける。
「よし、触るぞ、全員手を繋ぐなりしろ」
「分かっている」
そう言って手を繋いだり、触ったりする神王様達。
シュン
と場所が変わると、巨大な氷の獣が現れた。
「アイスビーストだな」
「強いんです?」
「この極寒の大地では相当難敵だぞ、弱点の炎属性の攻撃を当ててもすぐ治る」
「ええ⁈」
じゃあ、どうやって倒すの⁈
「こうやって倒す」
炎の渦がアイスビーストを包み込む。
するとアイスビーストは水になっていた。
「うわぁ」
「さて、最期のとどめだ」
紅き王がそう言うと、火の柱が立ち、水が無くなり、そして大きな剣と氷の牙がころんと落ちていた。
「あの、この剣は……」
「国宝級だな、売れば国が傾くぞ」
「ヒェ……」
私は剣をアイテムボックスに詰め込み、牙だけを手にした。
「アイスビーストの牙だな、加工すれば氷の剣になる」
「じゃあ、これは売っちゃいましょう」
そう言って、私達はダンジョンを後にした。
わぁあああ!
歓声が私達を包み込む。
「さすが神王様とその巫女様だ!」
「はい?」
「テイマーという契約だが、巫女というのが向こうの認識だ、放置しておけ」
「その方が良いでしょうし」
「はぁ……」
私はなんとも言えない顔をした──
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