「恥を知れ、恥を!」居眠り議員を一喝した石丸市長と対立する安芸高田市議会最大会派

@tataneko

学級崩壊寸前の安芸高田市議会

広島県の安芸高田市(あきたかたし)議会が、まるで学級崩壊寸前で注目されています。


安芸高田市議会の2022年9月定例会において、2022年度の一般会計の決算認定案を不認定としました。不認定は去年に続いての「異例の事態」です。


これは石丸伸二市長(41歳)と対立している最大会派「清志会」の議員8人(議員定数16人)が反対したからです。まさに反対のための反対をする最大会派なのです。


その反対理由として、最大会派の山本優議員は「大型の台風が接近した際、石丸市長は千葉県のトライアスロン大会(9月18日開催)に参加し、市内に不在で市民に多大な不安を与えた。危機管理意識の低さに言葉もありません」と主張しています。


【意味不明の反対理由で、それって、決算と関係ないやん!!】


山本優(まさる)議員(77歳)は、5期、19年目のベテラン議員ですが、「老害」の噂もあります。


石丸市長は「19日に台風が最接近すると事前に想定し、取るべき対策を用意していた。18日の夕方には市に帰り対応を協議しており、感情論を振り回すのはやめるべきだ」と反論しています。


また、石丸市長は「なんとなく気に入らないから否決、不認定にする…と反対のための反対になっていたと思います」「本来やるべき審査をやらずして、私の批判を展開したい、足を引っ張りたい、揚げ足をとりたい、以上の動機が見当たらない」とコメントしています。


【その通りやで! せやけど、石丸市長は交通機関がストップして帰れないことまで想定してたん? ちょっと脇が甘いんちゃうかな】


問題の一般会計決算は28日の市議会本会議で採決されますが、不認定でも法的拘束力はなく、予算執行に影響はないそうです。


【影響ないんかい! 心配して損したわ】


「石丸伸二市長の経歴」

石丸 伸二(いしまる しんじ)2020年の広島県安芸高田市長選挙で初当選、1期目。1982年8月12日生、41歳。京都大学経済学部卒業、2006年に三菱UFJ銀行に就職、2014年にアナリストの初代ニューヨーク駐在として赴任


前市長が河井克行衆議院議員から現金60万円を受け取った責任をとり辞職、副市長の竹本峰昭との一騎打ちを制して初当選した。


【優等生で学級委員みたいな石丸市長と、いじめっ子グループみたいな最大会派が対立して、まともな議会運営ができへんのは学級崩壊みたいやで】


【市民を代表する市議会議員が嫌がらせ、いじめを堂々とやってるんやから、子どもに「いじめはアカン」って言うても説得力ないで】


石丸市長は「広報あきたかた」の市政の動きのページで、「議会だより」の問題点として、名指しで議員を批判しています。もちろん、的確な指摘で、理路整然としていますが、反発されるのは間違いありません。市長は広報誌で反撃するも、火に油を注いでいるだけなのかもしれません。


おまけに中国新聞とのやりとりについても問題点を指摘していて、こちらもメディアを敵に回すだけのように感じます。


【経験不足やから仕方ないけど、もうちょっと上手いやり方があるんちゃう? まあ、エリートにありがちやけどな】


それでは、市長と最大会派が対立する原因となった「居眠り騒動」について、解説しましょう。


「居眠り騒動」の発端は、2020年9月25日の議会で石丸市長の答弁中に、ある議員がいびきをかいて居眠りしていたことでした。


石丸市長は答弁中に「眠たくならないような答弁にしないとな」と発言しています。その後、SNSで発信したり、広報誌で名指しで議員を批判しています。


【市長は、ほんまもんの居眠りする議員を目の当たりにして、ビックリしたんやろな。ボロカスに言うても大丈夫やって思ったんやろか】


居眠りを指摘された武岡隆文(たけおかたかふみ)議員は、最大会派「清志会」所属、元安芸高田市職員で、真面目で人望があった人物のようです。


居眠りを指摘された武岡議員は、市長に謝罪の連絡を入れています。その後、病院で検査を受けた結果、病気であることが判明し、9月30日に診断結果を議長に提出したようです。


市長と武岡議員のDMでのやりとりは公表されています。武岡議員は居眠り議員として誹謗中傷に苦しんだようです。しかし、市長は居眠りについての釈明がないため納得できません。二人の間には深い溝があるようです。


2020年4月の市議補欠選で当選した武岡議員は、2020年11月の市議選で再選を果たしているため、市民が居眠りを指摘されたことや、病気であることを知っていたのかどうか分かりませんが、市民の信任を得たことになります。


2022年6月30日に、武岡議員は「市長は議長から診断書を受け取っているにもかかわらず見ていないとウソをついている」と会見を開いています。


【武岡議員は、病気やから仕方ないやんってことで許してもらえると思ったんやろか。市長は病気でも居眠りするのはアカンって考えてるんやから、論点がちゃうねん! そもそも病気やったら議員辞職した方がええんちゃう?】


火種はもう一つあります。2021年1月、石丸市長は新たな副市長を公募により、約4,100人の応募者の中から、一般社団法人の女性職員を内定しました。ところが、市議会本会議に副市長の選任同意案を提出すると、二度も否決され、議会によって潰されてしまったのです。


副市長の選任同意案が初めて議会に提出されたとき、市長の提案に賛成したのは7人の議員でした。二度目に選任同意案を提出すると賛成は5人に、選任同意案の再議では賛成議員は1人だけで、他の14人が反対しました。議決のたびに、市議が市長から離れていったようです。


【これは、ただの嫌がらせやろ! 市長派の副市長なんかいらんねんってことか、それが市議会のやり方かぁ!!】


2022年3月には、市議会は新型コロナの影響で市の財政が苦しいことを理由に、本会議で副市長の定数を2人から1人に減らす条例改正案を賛成多数で可決しました。


これを受けて6月10日、石丸市長は市議会の議員定数を16から8に半減する条例改正案を提出しますが、賛成1、反対14で否決されています。


【もう、こうなったら泥仕合やなあ、どうしようもないで】


石丸市長は本会議で居眠りする説明責任を果たさない議員は議会軽視の最たるものとして「恥を知れ、恥を!」と怒り心頭の発言に至ったようです。


そして、6月30日の「市長はウソをついている」という記者会見が開かれるのです。


【誰のための市議会か、ちゃんと考えなアカンで。市民も、こんな子どもみたいな市長と議員を選んだ責任を感じて、次の選挙では、しっかり考えて投票せなアカンで!】


この「居眠り騒動」から2年、市長と議会が対立している状況が続いているのです。


議会では、市長に不信任決議を出す動きもあるようです。その場合、市長は議会を解散するでしょう。再選した議員が再び不信任決議を出して可決されると、市長は失職します。


【市長は市民のことを考えて政治をしようとしてるみたいやから応援したいけど、議会運営も市長の仕事やから、まあ頑張ってや】

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