2:登場人物について (1)
◆根岸秋太郎(ねぎししゅうたろう)
怪異・幽霊/享年23歳(10月生まれ)/身長174cm/山梨県出身
山梨県
小学生の頃、自宅で飼っていた柴犬の幽霊を見て以来霊感に目覚め、やがて怪異関係の仕事に興味を持つようになる。考古学にも興味があったため、大学卒業後に上京し、東京都特殊文化財センターに就職。しかし一年半後に殉職。
視力は幽霊になっても0.1。黒縁の眼鏡を愛用する。
右手首と胸には生前致命傷となった傷が残っている。見た目は生々しい傷口だが痛みはない。ただしたまに衣服に血痕が滲む。
中学時代は陸上部の長距離選手だった。高校では帰宅部。
趣味を仕事にしたため、史跡巡り以外の趣味を模索中。一人キャンプに憧れがあるものの、幽霊の身でそれをやると怪奇現象になってしまうと悩んでいる。
山梨県内でも有数の温泉地で生まれたせいか、温泉には一家言ある。
好物はカレーライスとツナマヨおにぎり、コーヒーとコーヒー味のもの(ゼリーなど)。嫌いな食べ物は特になし。ただし酒には強くない。
苦手なものとして、他に絶叫マシーンがある。
実は犬派であるが、かつての愛犬・ムギを亡くしてからは飼わなかった。
実家には両親と二歳下の弟
他界した曾祖母は菓子作りが得意だったと記憶している。
現在判明している能力は、『
また、至近距離にいる怪異に対して、その怪異が顕現した時の鮮烈な感情と記憶を読み取る場合がある。ただしこの能力はランダム発動な上、他者の死の瞬間や強い恨みを抱いた瞬間の感覚をトレースするため、根岸自身の精神に大きな負荷がかかる。
【製作小話】
最初のエピソードのゲスト扱いで終わるはずが、主人公に昇格したキャラクターです。
この作品には未発表のプロトタイプ短編版があったのですが、こちらはミケの視点で書かれ、主人公サイドには人間も元人間もおらず怪異ばかりでした。
しかし、現実と異なる歴史を辿ってきた現代社会、というものを描くにあたって、その世界の普通の人間の視点がないと非常に描写しづらいと思い、長編版の最初のエピソードを書いている途中で、このまま根岸主人公で行こうと決めました。
ストーリーのほとんどが彼視点で書かれるため、根岸自身の容姿などの描写が挟みづらいのですが、「そこそこ凛々しい顔立ち」「しかし全体の印象が地味め」くらいのつもりです。
急遽主人公に決まったため手探りでキャラクターを構築しており、また幽霊の状態に慣れていないので本来の性格を発揮させられない所もあるのですが、生前は生真面目ながらも人付き合いは良く、人との出会いに恵まれていたと本人も自覚しています。
大学時代に一度彼女が出来ましたが、相手の方が先輩だったため先に卒業し、遠距離恋愛になった途端あっさりと浮気されてフラれました。以降、滝沢と出会うまで多少女性不信気味だったようです。
現実世界では考古学関連の就職先はかなり狭き門で、地方国立大学の学部卒からいきなり東京の専門職に就くのは難しいかと思われます。
が、この世界において怪異関連の仕事は、そもそも霊感体質の人にしか勤まらないため万年人手不足で、その中でもトクブンはそれほど倍率が高くなく、割合あっさり就職を決めました。
名前の由来は、江戸時代の雑話集『
◇◇◇
◆ミケ/駒田間実啓(こまたまみけ)
怪異・妖怪猫又/推定80歳(享年推定1歳)/身長168cm/東京都江東区出身
母猫の名はタマ、姉猫の名はコマ。人間のふりをする時に名乗る苗字は家族の名から借りている。
ミケの一族は怪異パンデミック以前から猫又になる猫の生まれやすい血統で、墓地に住み着いていたため地域住民から
ただしミケ自身は猫又ではなく、それどころか普通の猫より身体が弱かった。
生まれて一年後には持病と栄養失調のために寿命が尽きかけていたが、1945年3月10日の東京大空襲の際、雁枝に抱かれて火災から避難する途中で死亡。死因は一酸化炭素中毒と思われる。
染色体異常により、本来メスの三毛猫になるはずがオスとして生まれている。
猫としての姿は、日本猫らしい丸顔。左耳から左の目元までが黒毛、右耳から右の目元までが赤毛のハチワレ模様。後頭部から背中にかけて黒毛が多く、腰の辺りは赤毛で、二本に分かれた尻尾の先は両方黒い。
尻尾はぴたりとくっつけて普通の猫のように見せかける事も出来る。しかし気が抜けないのであまりやりたくないらしい。
人間の姿は、
巨獣の姿に
趣味は料理と庭いじり、人間の学問を勉強すること。好きな食べ物はおかかご飯、刺身、魚介のアヒージョ、レバニラ炒め、日本酒とビール。
料理のレパートリーは和食に偏っている。雁枝の好みに合わせて腕を磨いたためである。
猫の姿でいる間はキャットフードやちゅ〜るも美味しく感じられる。一方、チョコレートや玉ねぎを食べても平気だが、人間の姿でないと美味しく感じられない。
苦手なものは乗り物、雨、寒さ。
また、布が身体にまとわりつく感覚が80年経っても苦手で、自室ではよく服を脱いでいる。そのまま猫の姿になり、全裸であることを忘れて外出する場合もあるので、周囲にとってはこれが一番の悩みのタネとなる。本人はあまり気にしていない。
主な能力は
両手両足の爪を鋼鉄並に硬化し、10cm程度まで引き伸ばせる。身体能力のみで大抵の怪異を圧倒出来る。
巨獣の姿を取ると、牙と爪に加えて身体にまとった炎も武器となる。
力の解放度合いによって、たてがみを燃やして周囲を焼く、口から火炎を吐く、尻尾からバーナー状に高熱の炎を発射する、などの使い分けが可能。
超高度へのジャンプだけでなく飛行も可能だが、ギリギリまで力を解放する必要があるため滅多に披露しない。本人もいつでも出来るとは思えないと語る。
全力疾走時の速度は時速200kmを超えた経験があるものの、長距離走が苦手なので出掛けるなら特急列車の方が早いらしい。
長時間全力で活動し続ける事は出来ず、霊威と体力を消耗すると眠くなる。普段の生活でも8時間以上の睡眠が取れないと調子が上がらない。
【製作小話】
当初、単独主人公になる予定だったキャラクター。
根岸の相棒兼メンター役とするために短編版より強化したキャラに設定しましたが、強くしすぎたものだから、各エピソードごとにどうやって彼をクライマックスまで戦場から遠ざけるかという問題で苦労する羽目になりました。
年の功もあって、周囲からは世話焼きで献身的なしっかり者の家令と見做されがちですが、こうした面は姉猫のコマや自分が死なせてしまった人々への償いとして、努力して振る舞ってみせており、本来は猫らしく呑気で感情的、臆病な所もある性格です。
雁枝はミケに贖罪と従属だけの一生を送って欲しくないと考えており、彼女の薦めもあって好きだった勉強に挑戦し、高校に通ってみたり、大学受験をしてみたミケですが、栄玲大学に入学しようという時になって、雁枝が一日の大半眠りに就きがちな状態に陥りました。
ミケは退学しようか迷いましたが、雁枝に諌められて結局大学に通い続ける事を決めています。
その後、雁枝は数ヶ月に一度しか目を覚まさない容態となり、残りの寿命がいよいよ少ない事を互いに察しましたが、当面のミケは大学卒業を目標としているようです。
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