第16話 強いぞクマ男!だが、俺はもっと強え!!

クマの様な大男の繰り出す大斧の攻撃を交わし、俺の剣で瞬殺!


続いてナルシスと盗賊集団の中に飛び込む!!


はずだったんだが…


ブオーン!!

ブブオーン!!


と、クマ男が繰り出す大斧がダッキングする俺の頭上をかすめる!!


まて?嘘だろ⁉︎コイツ本当に強いぞ!?

普通、こういうキャラはあっという間にやられるもんだろ⁉︎


大斧の回転が思っていたより速く、懐に飛び込めない!!


「殺せ!!殺せ!!リオンを殺せ!!」

盗賊の大合唱がリズムに乗って鳴り響く。


ナルシスや他の仲間はいつ他の盗賊が飛び交ってきても良い様に剣や弓を構えている。

広場の熱気は加熱してきた。

他の盗賊が我慢できずに雪崩れ込み、このクマ男とのタイマンもいつ崩れるかわからない。早くコイツを倒さなきゃ大変な事になりそうだ。


クマ男の大斧を交わしながら、ふと頭によぎる。


コイツ、賭博場以外にもどっかで見た事あるぞ?

どこだっけ?


ガキーンッ!!


俺の繰り出す剣をクマ男が大斧で交わす!

すぐにクマ男の大斧が振り下ろされそれを交わす!


その時、脳裏に疲れ果ててボロボロの装備のエルフの女の子を囲うクマ男と数人の男たちの姿が浮かんだ。


そうだ!アイツだ!!


「おい?あんたさ?売春街にもいなかったか?」


「おう⁉︎ おおう!賭場も仕切れば、売春街も仕切ってるぜ⁉︎

今度良い女が入ったら紹介してやるよ?

お前の命があればなッッッ!!」


ドズン!!


振り下ろされた大斧を避ける!!


「嫌がる女を無理やり売春婦にしてたろ!!」


「賭博場で負けて借金背負う奴もいれば、ダンジョン探索の金を稼ぐために借金背負う奴もいる!!

俺はそういう奴らに金を稼ぐ場所を提供してるだけだ。

いわば、慈善活動ってやつさ♪

ははは!」


「傷ついて、必死に地上に戻ってきた奴らを売り飛ばすのも慈善活動だっていうのかッッッ!!」


「世の中 金だ」


ブチッ!!!!


今度は俺の何かがキレた。


「命からがらダンジョンから逃げ帰った奴らの体までもて遊び!!」


クマ男の大斧を交わす!


「てめえの金儲けのタネにしやがって!!」


次々と交わし、クマ男の懐に近づく。


「許せねえ!!」


クマ男の大斧の攻撃を剣でいなし、懐に飛び込んだ!


「天国に行けるか、地獄に行くか…」


飛び上がり剣を振り下ろす!!


「神様に祈りな!!!!」


ドズーンンンン!!!!!!


地鳴りの様に切り倒されたクマ男が倒れ込んだ。


俺は女の敵はキライだ。

女の敵は俺の敵なのだ。


くるりと剣を回して鞘に収める。


「おおー!!さすがリオンじゃ!!

なぜ売春街にいたのかは別にして見事じゃな」

「どうじゃ?ライラック?このリオンの剣裁きを見てもまだ戦うと?」


ありゃ、トム爺はライラックと和平交渉に持ち込もうとしてるよ。


「トム爺。そんな事で引く様なやつらでは無いぞ?さっきのリオンの剣技が美しいほど奴らの闘志に火を付けたではないか?」

とナルシスが言い終わるやいなや


「よくもクマ吉をーッッッ!!

殺せ!!皆殺しだーッッッ!!!!!」


一気に他の盗賊どもが押し寄せてきた!!


「へへ!パーティの始まりだな♪」

「行くぜ!ナルシス!!!!」


「おう!!」


俺とナルシスは盗賊集団の中に飛び込んだ!!

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