第6話 テスト終わりについて

 テストも終わったということで、やはり1つ羽を伸ばしたくなるのが人間というものであろう。少し暑くなってきたこの頃、雑用ばかりの部活から帰ってきて、土日はゆっくり漫画でも読んでダラダラ過ごそう…そう思っていた矢先、俺のaPhoneが鳴る。相手は…ウゲっ。


「もしもし」

『渉って明日どうせひまよね!』

「どうせとはなんだ。俺は暇じゃないぞ」

『えっ、もう友達できたん!?成長すぎる』

「いや、漫画を読むのに忙しい」

『はぁ?なんやねんそれ。とりあえず明日友達とカラオケ行くから。渉も来ること』

「いや急にそんなこと言われても…大体誰と行くねん」

『えっと、4組のゴッチと、同じクラスの丙くんと片桐さんかな。ゴッチは同小だったからわかるでしょ?』

「ああ…まぁ程々には」

『明日の2時!いつもの橋で待ち合わせ!分かった?』

「…わかったけど、こっちも1人だけ人を誘っていいか?あまりにもアウェーすぎる気がしてだな」

『アウェーって、同小と同クラじゃん…それに愛しい私がいるよ♡』

「そういうのええから」

『…それで、その誘う人ってだれよ』

「部活一緒で仲良い4組の筧ってのがいるんやけど…」

『あーイケメンで変態の筧くんか…まぁいいよ。渉がそれで来るなら!』

「ほんとは溜めてた漫画読みたかったんだが…」

『またまたァ、この私とカラオケ、行きたかったんでしょ!!』

「はいはい行きたかったです行きたかったです。もういい?明日2時に橋ね?じゃまた明日よろしく」

『あっちょまっt』プツン


 …翌日、とりあえずまだまともな服を着て、筧の家に行って筧と会う。

「本当に世話のかかる奴と関わってしまったばっかりに申し訳ない」

「いや別にそんな…」

 やっぱり筧は良い奴だ。


「可愛い綾ちゃんと遊べるなんて最高だし!むしろありがとうやでマジで、!」


 んー、こいつは人を見る目がないのかもしれない。


 筧と先に集合してから、ちょうど2時になる頃に橋に着いた。小学校の時から変わらないゴッチこと後藤千夜(ごとう・ちよ)と、同じクラスの丙律誠(ひのえ・りっせい)、片桐誉(かたぎり・ほまれ)がいた。丙とは出席番号も近く、ある程度会話が出来るのだが、片桐に関しては女の子なこともありほんとうによく知らない。聞いたところ、丙と片桐は幼なじみらしいが、あいつらが話してたところはあまり見た事がない。裏で連絡取り合ってたりするのかなぁ…

 ゴッチは昔から男女関係なく明るく接していて、まぁ俺の数少ない女友達である。(H丘Rょう?そんな奴俺は知らんな) ゴッチと筧は同じクラスなので、結構喋る。ゴッチも顔が整っている方なので、筧にとってはワンチャンあると思って接しているだろう。しかしそれは大きな間違いだ。ゴッチは小学生時代からそれはそれはすごくモテていた。しかし、ゴッチに告った者は皆必ずフラれて帰ってくるのであった。ゴッチいわく、「友達としては大好きだよ!」と。きっと中々心が痛むだろう。断る時はちゃんと断わってやってほしい。


 そんなこんなしている内に、やっと今日のホストが来たようだ…

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八尺渉少年の日常譚 問屋持丸 @ztmy

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