愛猫奇譚
@tsutanai_kouta
第1話
私の家には「アル」て名前の三毛猫がいました。祖母が亡くなる際に託されたのですが、我が家に来た時は既にそれなりの年齢だったと思います。
俗に猫は年を経ると怪異になるとか、実は言語を解し、人知を超えた能力を隠してるとか言われてますが、アルもその類いだったようです。
これは愛猫アルにまつわる幾つかの奇妙な話です。
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私が小学生くらいの頃、実家にネズミの
その日の夜中、私がトイレに起きると視界の隅を何かが駆け抜けた。瞬間的にネズミ!?と怯えたが、なんか“それ”は二本足で走っていったように見えた。
気になった私はネズミらしきものが入っていったリビングをそっと覗き込んだ。
すると“それ”はリビングの床の上に居た。
やっぱりネズミじゃなかった。
それは体長5㎝くらいの、ちっちゃい鬼だったのだ。
鬼は赤みがかった色をしていて頭には二本のツノがあった。そして1つしかない目は金色だ、鼻はなく、うっすら開いた口からは小さな牙がたくさん並んでるのが見えた。
私が
アルは鬼に
私は渋い顔をしたまま、そーっとリビングから離れた。
翌朝、アルを見てみると額に小さなツノが二本生えてた。それが
この日以降、我が家でネズミの
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