第46話 恋愛大戦争 同盟戦:終戦


 二大イケメンには、プライドがあった。


 ――自分達は嫌われないし、押せば必ず相手は落ちるという、歪んだプライドが。


 小学生の頃から、その美貌と雰囲気は健在で、「イケメン」だの「かっこいい」だの言われ続けてきた。

 バレンタインデーにもらったチョコも、手に収まりきらない程の量を渡される程だった。

 ただ、それは小学生という純粋な子供。

 成長過程としてはまだまだ未熟な方だし、心の発育具合も、『性』よりも『友情』の方へとシフトされている。

 だから、気軽に女の子と遊んだり、触れたりできるし、そこに何の邪念も生まれないのだ。


 中学生にもなれば、体と心の成長は『性』の方へとシフトされる。

 男女共に、体には変化が出てきて、大人へと近付いていく。

 勿論、心にも変化が生じてきて、相手に『触れたい』、『近くにいたい』など、より具体的な事を思うようになるのだ。

 

 ――そして何より、自信がつくようになる。


「匂わせは可哀想だって」

「結局振ったのかよ! あんなに匂わせといて!?」


 中学になると、優太と心穏周りで一気にそんな会話が増えた。

 幼き頃から美貌を褒め称えられてきた優太と心穏には、自分が「かっこいい」という自負があった。

 それを証明するように、中学でも廊下を歩けば、黄色い声援や歓喜の悲鳴は鳴り止まなかった。

 だから、優太や心穏がアピールすれば、女子達はコロッと落ちてくれる。

 しかも、年齢は中学生。

 心も体も大人びて、気持ちに変化が訪れる時期であるのにも関わらず、あっさり落ちてくれるのだ。

 まあ、好きだった訳じゃないし、遊び程度だったのだが。

 

 ――それは同時に、『何をしても落ちる』というプライドを、優太と心穏に生えさせていた。


 バレンタインデーにもらったチョコだって、全部食べた訳じゃない。

 ホワイトデーだって、誰にも返してない。

 声をかけられたって、無視ばかりした。


 ――まあ、それら全て、自分が可愛いと思った子には返したし、食べたのだが。


 でも、それでもよかった。

 罪悪感なんて生まれなかった。

 ――だって、本気を出せば『何をしても落ちるから』


 嫌われるなんてありえないこと。

 例え、ブロックされようが、暴言を吐かれようが、最終的には落ちてくれる。

 ――それが、二大イケメンが持つ女の子へのイメージ、否、残酷で間違ったプライドだった。


 高校生になり、華月学園に入学しても、同じ結果が待っていた。

「かっこいい人がいる」とすぐに噂になり、三日も経てば女子から声をかけられ、一ヶ月も経てば色々な女子に告白された。

 予想通りだった。

 

 ――が、一つだけ想定外のことが起きた。


 小野寺陽葵と、如月乃愛という女子がいたこと。

 初めての一目惚れ、そして、初めて"惚れた女の子"だった。

 見た事の無い美顔、見た事の無い美顔、見た事の無い美顔。

 本当にただそれだけで好きになった。

 同時に――プライドが燃えた。 


 夏祭りの前日、言い換えれば、紫月がイチゴドーナツを頬張った日のこと。

 二人も、同じドーナツ屋で会っていた。

 その際、偶然にも紫月が帰った後に、夏祭りに行く話になり、会いに行こうという方向で決まる。

 そして、陽葵と乃愛と仲良しな女子へと情報収集をした結果、『ぐるぐる公園』に行くことが決まった。

  

 ――かつてないほどの二人の美女に、プライドを粉々に打ち砕かれる事など知らず。


 ◇◇◇◇◇ 


「ねえ……あれって……」


 乃愛の絶望感溢れる声が、ぐるぐる公園のベンチで発せられた。

 その声に釣られ、陽葵も視線を送る。


「――」


 言葉を失い、受け入れ難い事実がそこにはあった。

 眼前、ゆっくりとこちらへ歩いてくる、赤髪と茶髪の姿――二大イケメンの姿だ。

 あれ程突き飛ばし、言葉で分からせたはずなのに、二人の足取りにはなぜか自信があるように感じる。


 陽葵と乃愛は、あまりに驚愕的すぎて足が動かなかった。

 公園の入口はすぐそこで、数歩走れば外に出られるはずなのに。

 一歩、また一歩と、二大イケメンが近付いてくる。

 そして、陽葵と乃愛が座るベンチに到達すると、二人は立ち止まった。


「偶然だな、こんな所で会えるなんてよ」


 自分の赤髪を触りながら、心穏が嬉しそうに言った。

 それに続き、隣に立つ優太も「うんうん、そうだね」と言葉を続ける。

 当たり前のように話しかけてくる男達に、乃愛と陽葵は尚も開いた口が塞がらない。


「んだよ、そんな顔して。乃愛ちゃんの可愛い顔が台無しだぜ?」

「うんうん。陽葵ちゃんもそうだよ。もっと笑うのが陽葵ちゃんらしいと思うよ」


 二人を分かったような口振りで、二大イケメンは語る。

 あれだけDMで突き放されたのも、全くダメージになっていないようだった。


「……何、あんたら」


 何とか、乃愛が口を開く。

 夏鈴との勉強会もそうだったが、こういう時、いつも先に口を開いてくれるのは乃愛だ。


「あんたらってそんなひどい呼び方やめてくれよ。俺らはたまたまここに来ただけだぞ」

「そうだよ。だからそんなに汚物を見るような目で見ないでほしいな」


 心穏の言葉に賛同するように、優太も言葉を続けた。

 乃愛は鋭い視線を二人へ送る。

 そんな乃愛を見て、頼りっきりじゃダメだと感じた陽葵が口を開いた。


「私たちは二人で遊んでるの。やめてくれない?」


 露骨に怒りの籠った陽葵の声に、優太も少々驚く。

 が、それは「更に可愛い」という不埒な感情からで。


「そうなんだ。二人で遊んでるんだね。なら安心だよ」

「はあ? 安心? 頭おかしくなっちゃったのー?」


 意味不明な感想を抱く優太に、呆れるように陽葵が返す。

 

「うん、君たち二人なら安心だよ。僕達も二人だから」

「……何言ってんの?」


 尚も、意味不明な発言を繰り返す優太に、思わず乃愛が返す。

 すると、優太ではなく、心穏が口を開いた。


「――流川碧斗とかいう存在が居なくてよかったってことだ。邪魔もされねーしな」


 最低だ。

「碧斗の秘密がある」と言われ、騙された陽葵と乃愛に対して、クズみたいなことを言う。

 実際クズだが。

 隣で、「そうだね」と伝えるように、優太が首を縦に振っている。

 そしてそのまま、心穏は言葉を続けた。


「なあ、早く立ってくれよ。俺はまだ行きてー屋台があるんだ」

「……」

「そうだね。僕もあるから、早く立ってくれると助かるよ」

「……」


 二人の女子に対し、二人の男子が酷い言葉を浴びせる。

 性格が優しい陽葵と乃愛にはその言葉と口調が思ったよりも刺さり、心を抉っていた。

 ――何より、「流川碧斗」をバカにされたことが、許せなかった。


「どっか行って……どっか行ってよ!!」


 二人のクズ共に言葉を浴びせられた乃愛は、耐えきれずに涙声になりながら、大声で叫ぶ。

 横で見ていた陽葵も、かつてない程に不安そうな顔をしていた。


「泣かないでよ。僕達は遊びたいだけなんだから。絶対に流川碧斗よりも楽しませられるよ」


 そんな陽葵と乃愛などお構い無しに、優太はまたも無神経な言葉を浴びせる。

 碧斗を下げ、ただバカにするように。

 

 最悪の空気が流れ、二人の夏祭りが台無しへと向かう。

 小春が居れば、碧斗が居れば、きっとこんなことにはならなかった。

 そう絶望するには――まだ早い。


 ――入口付近に、一台の車が止まった。

 

 その車は、赤い軽自動車で――陽葵には、見覚えがあった。

 ただ、その存在に気付いたのは陽葵と乃愛だけ。

 優太と心穏は、ただ気持ち悪い目つきで、陽葵と乃愛を見つめている。


 ――そして、赤い軽自動車から、ヒーローは降りてきた。


「――ねえ、そこ離れてくれる?」


 唐突にかかる声に、優太と心穏は「ん?」と視線を向ける。

 その顔は、どこかで見覚えがあった。

 ――昨日の、ドーナツ屋だ。


「……誰だお前?」


 短い茶髪を靡かせながらやってくる美女に、心穏は強気に問う。

 すると、微塵も気圧されない茶髪の女の子は、名乗った。


「――陽葵と乃愛ちゃんのお姉ちゃんだよ。小野寺紫月って言います!」


 ドーナツ屋で感じた嫌な予感、それが見事に的中した。

 クズ男は、心理的に方法を選ばない傾向にある。

 その為、何としてでも陽葵と乃愛に会いに行き、無理矢理遊ばせると確信していた。

 だから、陽葵に行き先を聞き、何かあったら連絡してと忠告したのだ。

 まあ、陽葵から連絡はなかったが、直感的に心配したので来てみたら、ばっちり当たった。


「……姉?」


 衝撃的な事実に、優太も困惑する。


「聞こえなかった? まあ、乃愛ちゃんと血は繋がってないけどね!」

「……陽葵ちゃんの、実のお姉さんっていうことかな?」

「うん、そゆこと。あと、気安く陽葵ちゃんって呼ばないでくれる?」


 笑顔の裏に、並々ならぬ怒りを込めながら、優しく優太へと言葉を向ける。

 涙目の愛おしい二人がベンチに座っているのはすぐに分かった為、紫月も怒りを我慢出来なかった。


「――最低だね、女の子二人泣かせるなんて。バカみたい」

「あ? なんだ急に」


 唐突に罵られたことに、心穏も語気が荒くなる。

 

「急? ここまでしておいて?」

「僕達はただ遊びたかっただけだよ。誘ったら泣くって、嬉しいのかと思った」


 見当違いにも程がある優太の発言に、紫月の中に更に怒りが湧いた。

 そして――こういうクズ男の対処法、プライドのへし折り方を、紫月は知っている。


「――まだ、気付けない?」


 歪んだプライドを持つ二人は、紫月の言葉に「はあ?」と言うような目線を送っていた。

 そんな二人の視線を感じ、紫月は憐れむ様な目線を二人へ送り返す。


「……可哀想だね、本当に。私から言いたくは無いんだけど、気付けないなら言ってあげるね」


 瞬間、紫月の目線は冷酷なものに変わった。

 そして――言い放った。


「――君たちのこと、大っ嫌いだよ。陽葵と乃愛ちゃんは」


 真っ直ぐに、ただ一言、ただ分かりやすく簡潔に、事実を述べる。

 ただ、これだけではまだ足りないし、へし折ることは出来ない。


「――んでね、碧斗くんには絶対勝てないよ、君たちじゃ。いい加減気付いたらどう? 自分達が嫌われてるって」


 冷酷な声色で、紛うことなき事実を二人へぶつける。

 とにかく勝てないこと、嫌われていることを主張するのが、最善の策なのだ。

 そして後は――


「気付いてるか分からないけど、泣かしてる姿もばっちり見られてるよ。ほら」


 そう言いながら、紫月が笑顔で周りへと視線を向けた。

 その視線を追うように、優太と心穏が視線を送る。


「……嘘だろ」


 ポツンと呟く心穏。

 ――乃愛の叫び声を聞いた少数の『ぐるぐる公園夏祭り』参加者が、こちらに視線を向けていた。

 ――その中には、同じAクラスの飯田咲と吉田千尋もばっちりといて。


「……」


 言葉を失っている優太。

 周りから向けられる視線は、学校での「二大イケメン」としての視線ではなく、完全に「ヤバい奴」に向けられる視線であることを悟った。


「……おい、帰ろうぜ優太」

「……そうしようか」

「ちょっと待って! まだ帰らせる訳には行かないよ」


 意気地無しのクズ二人が帰ろうとした所を、紫月が言葉で止める。

 その言葉を聞き、二人も足を止めた。

 まだ、聞いていない言葉があるから。


「……なんだよ」

「なんだよって……。 それも言わなきゃ分からないの? 教育学部からしたらがっかりなんですけど」


 悪いことをしたら、する事は決まっている。

 そんな事は、小学生でも分かる事だ。

 わざわざ教えるのも呆れる、なんて思いながら、紫月は口を開いた。


「――"ごめんなさい"は?」


 たった一言、されど一言の、相手に対する礼儀だ。

 周りが注目する中で頭を下げるプライドが、二大イケメンにはあるのだろうか。

 それだけは懸念点だったが、さすがにそこまではクズじゃない――はず。


「……悪かったよ」

「……僕も。悪かったね」


 不貞腐れたように、別の方向に視線をやって言い残す。

 そんな二人に、紫月は「はぁ」と心底呆れたような声を出した。


「もういい、どっかいって。陽葵と乃愛ちゃんの為を思うなら出来るだけ早く。どれだけ期待しても君達の望む結果にはならないから」


 怒りを通り越して呆れた紫月は、強い視線を送りながら言った。

 が、そんな視線も気にせず、二大イケメンはぐるぐる公園に背を向け歩き出す。


「――大っ嫌い! 私達は何もしてないのにっ!!」

「――陽葵ちゃんも!!!」


 遠くなっていく忌々しい二つの背中に届くよう、陽葵と乃愛が涙混じりの声で叫ぶ。

 周りの人も、その切ない叫び声で、完全にどちらが悪いか、どちらに落ち度があるかを、理解した。


 紫月の言葉が、周りの冷やかな視線が、そして何より"想い人からの残酷な叫び声"が、二大イケメンのプライドを容赦なく削った。

『誰でも落とせる』という醜い勘違いも、『誰でも落とせたはずなのに』という、無惨な現実へと変わる。

 華月学園で見せる誇らしげな背中も、今日だけは小さすぎる程に感じた。否、小さかった。

 


 それは即ち――"ひまのあ同盟"の完全勝利、そして、"終戦"を意味する。

 

 

「――おいで、二人とも」


 二大イケメンが去り、最悪な空気感が充満するベンチ周辺。

 その空気を払拭すべく、紫月は細く綺麗な腕で泣き顔の二人を包み込んだ。


「紫月お姉ちゃん……」

「んんぅ……」


 名前を呼んで、とにかく安心する乃愛と、赤ちゃんのように身を任せる陽葵。

 姉というものは本当に偉大で二人の気持ちを難なく落ち着かせた。


「――」


 そんな二人の愛らしい美少女を想うと、再び怒りが込み上げてくる。

 "怒りを通り越す呆れ"を、更に通り越した怒りだ。

 何より、不貞腐れたように謝罪を残していった二人が、心底気に食わない。

 が、今は陽葵と乃愛を安心させることが最優先。

 顔には出さないように気をつけつつ、腕から離すと、優しく微笑みかけた。


「大丈夫?」

「大丈夫、ありがと紫月お姉ちゃん……」

「お姉ちゃんの妹で良かったよぉ……」


 二人の言葉を聞いてから、本当の愛娘のように再び頭を撫でる。


「ねえ、花火大会ってもうすぐだよね?」

「……んぇ、そうだよ?」


 頭を撫でながら質問する紫月に、泣き目を擦りながら陽葵が答える。


「確か会場って、車で少し行ったところの河川敷?」

「……うん、そうだよ。すぐそこの」


 乃愛も、陽葵と同じように目を擦りながら答える。

 すると、紫月がスマホで時間を確認してから、笑顔で口を開いた。


「よし、じゃあそっち行こ! 乗せてく!」


 時刻は、あと二分で19時になる所。

 花火大会の打ち上げ開始が「19時」なので、急がないと間に合わない時間だ。

 が、車で行けばちょうど到着する程の場所に河川敷はある。


「……そうする! ちょうど堪能したところだから!」


 紫月の言葉を聞き、陽葵の表情も笑顔に変わった。

 その陽葵に「私も!」と乃愛が賛成すると、紫月は「うんっ!」と満面の笑みを向けた。


「そうと決まれば! 行きますよーっ!」


 紫月が無理矢理二人の手を取り、小野寺家の赤い軽自動車へと連れて行く。

 浴衣姿を揺らしながら、されるがままに二人は乗り込むと、すぐに車は動き出した。


 ◇◇◇◇◇


 花火大会が開始されるまで、残り一分の所。

 特に渋滞に巻き込まれることも無く、スムーズに車は走っている。

 このまま行けば、残り数十秒の所で間に合うだほつ。


「紫月お姉ちゃん、免許いつの間にか取ってたんだね」


 後部座席に座る乃愛が、窓の外を見ながら呟く。


「まあねー。仮免の試験なんか4回くらい落ちたけど」

「え、ええ……?」

「えへへ、しかも実技で! 学科の方は余裕だったんだけどなー」  

「……じゃあ陽葵が受けたら200回くらい落ちそうだね」


 またこうして、乃愛は陽葵の火をつけるような発言をする。

 結果は、予想通りだった。

 

「……はあ!? 落ちないし! 黙って聞いてたらバカにして!」

「バカにしてないよーだ! 本当に落ちるくせに何言ってんの!」

「それは乃愛でしょ!?」

「いやいや陽葵でしょ!?」


 同じく、乃愛の隣で反対の窓の外を眺めていた陽葵が唐突に割り込むと、乃愛も反論する。

 まあ、割と本気でそのくらい落ちそうなので、乃愛の言うことは過言ではないが、「乃愛が言うなよ」と言いたくもなる。

 まあ、どっちもどっちだ。完全に。


「その感じなら大丈夫そうだね」


 一気に騒がしくなる車内に、紫月は安堵の声を漏らした。

 そして数秒後、勢いよく走っていた車が止まった。


「――よし! ギリギリついた!」


 河川敷に到着し、道路に路上駐車をすると、紫月がウキウキしながら二人へ言葉を向ける。

 打ち上げまで、残り数十秒と言ったところだ。


「……ん、紫月お姉ちゃんは行かないの?」


 が、シートベルトを外す素振りが無い紫月を不思議に思った乃愛が、そう質問をする。

 そして、陽葵の言葉を聞いた紫月は、笑顔で答えを言った。

 

「二人で行ってきてほしいの! 今日は二人で遊ぶ日なんだから! 私は車の中から見てるよ」


「仲直りしてね」と、淡い願いを込めつつ、それを悟られないように言葉を向ける。

「反対されるかなー」なんて思ったりもしたが、乃愛の反応は意外なものだった。


「――そっか、分かった! 助けてくれてありがとうね。行こ、陽葵!」


 すんなり乃愛は要求を飲むと、笑顔で陽葵と手を繋ぎながら車を後にした。

 

 数秒後、"ドンッ"という音が鳴り響き、空が明るくなった。

 

 花火に照らされながら、観衆の中へ、浴衣姿の二人が手を繋いで駆け込んでいく。

 そんな二人に、紫月は感慨深い思い出が巡った。

 

 それと同時に、心底気に食わない二大イケメンに対する怒りが再び湧いてくる。

 それを解消する為、――幼なじみの一人・夜桜小春へ、"とあるメッセージ"を送った。

 

 

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