謁見ですわー……
10分で謁見ですわー!あれほどのことをしたらそうなりますわー!これで数日待たされたらキレちらかして王城攻撃ですわー!
「ライヒベルク公爵令嬢、エリーゼですわ。国王陛下におかれましては……」
「よい、すまなかったな……エリーゼ嬢……」
「いいえ、第2王子がお望みなら婚約破棄をしますわ、なにせ側室の子を継承1位にしたいとか」
宰相が嫌な顔してますわ、ざまぁ見ろですわ!バーカ!バーカ!
他の大臣や近衛も引きつってますわねーなんでかしら?一か八か程度で適当に保存しておいたチーズが腐敗すぎて食べられないみたいな感じですわ。ブルーチーズも食べられないとこまでいくんですわ。まぁ元がブルーチーズですらなかったら問題外ですけど。
「聞いてはいるが……そのようなことは流石に……」
「誰かお手つきがおられるのでしょう?お手がお早いことですわ……」
「いや、特にそれらしい女はいない、これは本当だ」
「公爵家の権勢を増させたくないとも」
「…………あれの教育が足りてなかった」
それで済ませるつもりですの!?あのレベルを!?
やばいですわーこの国終わりですわー!こんなことならワタクシが第1王子の婚約者になってればよかったですわー!もしかしたら落ちてきた岩くらい砕けたかもしれませんわ。
「教育ですか……誰が担当しているんでしょうか?」
「…………人事は宰相だ」
「まぁ驚きですわね!キャスのような知性がある人間を育てた宰相が!?慰謝料をどちらが払うべきかもわからない人間を!?王家ではなく第2王子に対して支援しろと危険な言葉を言うような教育をする人間を教育係に!?まだ葬儀もしておらず王太子の儀も行っておらす王太子になっていないのに!?」
苦虫を噛み潰してる表情ですわねー。おーっほっほっほ!ざまぁですわ!
他の高官も宰相を噛み潰した苦虫の死体を見てるような表情ですわー!最高ですわー!もしバカ王子が正式になにかの公務に出てたら終わってましたわー。まぁ今日の醜態は広がるから貴族内では終わりましたけど。
「エリーゼ嬢……実質的な教育担当として謝罪させていただく……国王陛下もこのようなことになって申し訳ございません……責任を取って第2王子の教育関係はすべて辞任いたします……」
「かまいませんわー」
イラッとしてますわー!語尾を伸ばしたところでピキッとしてましたわー愉悦ですわー。ベロベロバー!やーい薄毛!娘から最近臭いって言われてる異臭宰相!敵対派閥のトップに頭を下げさせるのは気持ちがいいですわー!やめられませんわー!
それにしても宰相が懇切丁寧にあのバカを作り上げてたんですのね……賢いわが子を作れるなら愚かな他人の子はもっと作りやすいのかしら?
「陛下、第2王子との婚約はどうなりますか?」
「あれには再教育をさせる、もう少し続けてもらえんだろうか?」
「陛下の御下命であればよろこんで」
「此度のことで……王家の責を認める。エリーゼ嬢は今後第2王子に吐かれた暴言を全て報告してほしい、公務として給金を出す」
「承りましたわ」
よっしゃ完全勝利ですわぁ!宰相の影響力も削げたし王家に恩も売れましたわ!同時に第2王子に対しての不信感を大臣たちに植え付けましたわー!王家も公務としてバカ王子の暴言記録を取るようにしたから今後は暴言を広められませんわ!
でも謁見の場で問題発言をぶち込んだんで問題ありませんわ!明日にはみんな知ってます!秘密は秘密ではありませんのよ!公爵派閥大勝利!希望の未来へレディゴー!ですわー!
まぁ会いたくもないから第2王子ことバカ王子には近寄りませんけどね、周囲に人を送って探らせて発言を記録させますわ。
お父様も顔がひきつってましたけどなんでかしら?宰相に薄笑いを浮かべて勝利宣言すればいいではありませんの。
勝者が勝者らしく振る舞うのも義務ですわ。何を悩んで……わかりましたわ!
「国王陛下、新しい教育係はどなたになりますか?」
「然るべきものになるとは思うが……検討中だ、だれかいるのか?」
「我が父以外ですわ」
「…………よいのか?」
「我が父が担当したら聞く耳を持ちませんわ、王国警察長官のルーデンドルフ侯爵なら任に耐えうると思いますわ」
「検討しよう、では……謁見はお開きとしよう……」
どうです?お父様?悩みのタネは処理しましたわよー!感謝してくれてもよろしんですのよ?
これでバカ王子の教育がお父様の可能性が消えましたわー!同じことをして失脚することはありませんわー!
宰相はこれで失脚はしませんがお父様だったらしてるかもしれませんわ、手に負えないですわよあれは。
お父様と仲の悪いルーデンドルフ侯爵なら恣意的なことをしたら追い落とせますわ。表向きは警察長官だから公正に正しく教育するはずと言っておけばいいですしね。
最高の貧乏くじを敵に引かせましたわ!頑張ってほしいですわー本音ですわー。本当ですわよ?
「と、いうわけでキャス?宰相にお成りなさい?」
「どういうことですか?」
まだ……わかりあえませんわね……。宰相になったら通用しませんわよ!
さ、読み取ってくださいまし!
「キャス、多分だが……お父上を追い落とせということではないか?おそらく学院卒業時くらいに」
「アン、さすがにエリーとは言えど……」
「その通りですわー!」
「えっ!?もう少し詳しく……」
さすがですわーアンは賢いですわー!読み取りましたわー!嬉しいですわね……心の底から!
王城であったことをお話ですわー!第2王子はバカですわー!アホですわー!公爵派閥大勝利ですわー!
「「「「「……」」」」」
静かですわね……お通夜ですわね……まだアーデルハイドの葬式は行われてませんわ……一足早いですわね……まだ信じられませんわ……
正直バカ王子よりそっちのことで頭がいっぱいですわね……クラウはもう帰り始めてるかしら?
「ホンマにそんな……アレなんか?」
「父から聞いた話よりひどいですね……」
「父が文部大臣ですけど……押し付けられませんよね……?」
「……王国軍で鍛え直そうか?盾として……いや、手に負えんな」
ひどい言われようですわー当然ですわー。
口を挟めず絶句してますわ、黙ってるマーグでも抱っこしましょう、暴れないの!暴れるんじゃねぇですの!私だって鍛えてますわ!オラァ!将来騎士団に入るなら私に勝てなきゃ意味ねぇですの!守る人間より弱いつもりですの!?
ひゃー!もちもちぷにぷににですわー!
「父が失礼を……」
「親は親、子は子ですわー!父親同士が不仲でもワタクシたちが不仲である必要がないのと同じですわー」
「……父を追い落とすかどうかは考えさせてください」
「存分に考えると良いですわーまだ6年はありますわー」
まぁワタクシが国を作るのはもっと早いかもしれませんけど。
「6年か、アーデルハイドともずっと過ごせると思ったんだがな」
「俺アーデルハイドが死んだことまだ信じられない(小声)」
「ワタクシもですわ……」
「私もです……」
「アーデルハイド……」
「ノリがええ人やったな」
「あーしの訛り気にしてなかったしね、初対面で気にしなかったのエリーとアーデルハイドだけ……」
アーデルハイドとの別れが第2王子を引き合わせたのだとしたら大損ですわね……。
それとも、アーデルハイドと過ごした6年間が楽しすぎて取り立てが来たのかしら?
第1王子と婚約を見越してわらわといい始めた日、みんなで笑ったらへそを曲げてましたわね……。
国境沿いをアンやマーグと馬で駆けたあの日、そのあとキャスに説教されましたわね……。
流行りの本を持ってきてベスと語り合ってましたわね……。
ジーナの声をよく聞き取れたからみんなにコツを教えてましたわね……。
シャーリーによくわからないものを売れるって推してましたわねー……儲かったみたいですけど……。
クラウがいたずらした際には一緒になってワタクシたちに仕掛けてましたわね……。キャスにも杓子定規にしすぎないようによく教えてましたわ……もっと強く教えておいてほしかったですわ。
あなたの訃報の告げた時ですら先触れで怒ってましたわー。
あなたが生きていれば、笑い話で終わったんですわー……死んだら会いに行きますわー……待っててくださいまし、それまでは全力で生きますわ!
昔と変わらずトップを目指しますわー!あなたの名前を関した何かを作ってやりますわ!弟も任せてくださいまし!立派な侯爵に育て上げてあげますわ!おーっほっほっほっほ!
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