異世界に何か一つ持っていけるとしたら何を持っていくかって?それはもちろん記憶でしょ? 〜記憶だけで無理ゲーの中私は、修行しまくります〜

六色だけの虹

EP1 異世界になにを持っていく?

何ていうことだ。

俺の最後がトラックに頭を潰されるなんてな!

せめて、飲み会には参加したかったよ。


あらすじを説明しよう!

俺、美黒 亮介、とある契約帰りに飲み会に誘われて行こうと思ったんだが。

運悪くトラックが信号無視するわ、看板が吹き飛び俺の足に猛打するわ、それはもうつらかった。死ぬときは即死だったけどね


てな感じで、トラックに頭を潰され、死亡!

そして現在。


真っ白な世界にいまーす!

てかどこだここ!俺死んだんじゃねえのか?

いや、死んだなあれは

特に見渡しても川の向こうで手を振ってる親父が見えないな。


あ、親父は生きてるんだった。

にしても、何だこの空間は


『魂がさまよう空間ですよ』


ってうわっ!びくったぁ、急に出て来たよな?

びっくりして少し後ろへと下がる。

目の前に見えたのは、いかにも女神、という人の姿

なんだなんだ?ここにきて異世界転生イベント的な?


『はい!そうですよぉ』


ん?あ?俺喋ってないぞ、え。


『心の声が聞こえますからね』


おーすげぇなぁって感心している場合じゃないな。

てか、転生が本当って。ま?


『マジ』


お、おぉお!転生なんてすごく心が躍る単語じゃないか!

なんかすっごい力を持って転生する展開とか!


『いえ、それはありません、記憶はもちろん、力を無条件で与える転生は天界でも禁止されていますので。』


なんじゃそりゃああ!

何にも出来ねえじゃねえか。

もう転生前から詰んでね?亮介としての人生。


いや、転生したらもう別人か。


『ですが、何か一つ、元の世界からなんでも好きなものを一つだけ持っていくことができますよ』


おいおい、何だよそれ。

鉛筆削りを持っていくとしたら異世界の風景に映るわけか

ってまてよ?なんでも?

「本当に何でもか?!」


『はい』


ふっふっふ、なんでも、確かにそう言ったなぁ!

なら俺は、記憶を持っていく!

無条件じゃないんだ、いいだろ?


『そうですね、分かりました。ならば、記憶を転生先に持っていきますね。」


よしっ!

俺は死んで記憶を失って終わらねえぜ。

せっかく二度目の人生を、しかも異世界だっ!

全力で生きないとな。


『では、行きますよ、ちなみに性別や家柄は完全に運ですので、人間じゃないってこともありますので。ご武運を』


え?いますっごく大事なこと言ってたくね?

そのまま、真っ白な世界が女神の光によって包まれた。


そして、俺が誰かに抱きかかえられる感触を味わう

かすかに聞こえる声は、女性の声だった


「生まれましたよ!元気な女の子です!」


転生したのか?

肉体がある感じはする。

だけど、すっげぇ動きずれぇ。

赤子かぁ

目も見えんな、そういえばそういうものか。

とりあえず、、、泣くか


「おんぎゃああああ」

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