付録「幽閉種(1)」

■Dロイス

No.PS01「幽閉種プリズナーレネゲイド

 外の世界は、怖いもので溢れていた。

 1歩でも外に出てしまえば、そこは悪意と敵意に満ちた地獄そのもの。

 誰もが、ぼくを嫌悪する。誰もが、ぼくを拒絶する。

 誰もが、ぼくを恐れ、排斥し、ぼくを邪悪な存在として扱おうとする。

 だからぼくは、この迷宮にいる事を選んだ。

 石造りの迷宮は、外の世界のあらゆる存在を受け付けない。

 ぼくを排除しようと企む、怖い人たちの全てを拒絶する。

 お願いだから、誰も中に入ってこないでほしいんだ。

 ぼくは、きみたちが嫌いだ。きみたちの事なんて、忘れてしまいたい。

 ぼくは、全てを忘れて微睡む囚人であり続けられればそれでいい。

 この冷たい監獄の中で、永遠に眠り続けるのがぼくの望みなのだから。

 ……だから、どうか教えてほしい。

 今、ぼくの前に立っているきみは……だぁれ?


●解説:

 プリズナー・シンドローム。

 それは、近世以前に絶滅した“とされている”古代のシンドロームだ。

 “祭壇”と呼ばれる特殊な《ワーディング》の内部で、レネゲイドを自在に操作し、その性質や出力を変化させる。

 主に味方の支援に重きを置いたシンドロームだが、展開した“祭壇”を維持する難易度から、使いこなせる者は少ないと言われていた。

 加えて、性質の似通ったモルフェウス、オルクスのレネゲイドに吸収された上、中世の魔女狩りによってプリズナー・シンドロームは絶滅したとされている。

 しかし、プリズナーの使い手は未だ生きていた。その1人があなただ。

 あなたが何故、プリズナーのレネゲイドを振るう事ができるかは分からない。

 ただ確かなのは、あなたには滅び去った筈の力を振るう権利が今一度与えられた、という事だけだ。

 けれど、どうか心してほしい。

 その力を得たという事は、“迷宮ラビリンス”の秘密に踏み込む事を意味している。

 原初の“幽閉された者プリズナー”たるミノタウロスは、いつ如何なる時もあなたを迷宮の奥底から見つめているのだから。


●効果:

 このDロイスはモルフェウスまたはオルクスのシンドロームを持つキャラクターしか取得できない。

 あなたは幽閉種専用エフェクト《クレタラビリンス》を1レベルで取得する。これには経験点は必要ない。

 幽閉種専用エフェクトはモルフェウスおよびオルクスのエフェクトとして扱う。

 また、あなたは経験点を使用して新たに幽閉種専用エフェクトを取得することや、通常のルールに従って、取得した幽閉種専用エフェクトを成長させることができる。

 あなたがモルフェウスとオルクスの両方を取得している場合、トライブリードのキャラクターでも「制限:Dロイス、80%」の幽閉種専用エフェクトを取得することができる。

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