第6話邂逅② 母の過去

「なぜ聖女様が居られるのですか?

それにここは一体?」


「ここは私の家ですよ。貴方様は裏道で気絶されておられたんですよ」


「そう、だったのですね危ないところを救っていただきありがとうございます」

「しかし、なぜ聖女様が、、」


「それについては後で父から執務室で説明されると思いますので後で落ち着いたらいらしてください」


あまり納得のいく答えを聞くことが出来ないまま聖女様は部屋を出て行かれた。


恐らく聖女様は多忙なお方だから何か用事があるのだろう。


それにしても聖女様のお父上については面識は一度だけだし、助けて貰えるようなことをした覚えはないのだが…。


やはり考え込んでも埒が開かないので執務室に向かうことにしよう。


部屋に着いたのでトントントンとノックをする


「ラムズ ランサーなのですが…」

「入っていいよ」

「失礼します」


そうして部屋に入ると聖女様とお父上であるグレイス家当主グレイス ガルガン様が事務作業しておられた。


年月が経っても変わらない風貌のおかげですぐに気がつくことができた。


「もう少しゆっくりしていてくれてよかったのだが、やはり母君から聞いているのかな?」


「母とは一体何の話でしょうか?私は今回の件の説明をお聞きしたく、」


「ああ,すまない。そういえば話はまだだったね」

「では話そうかね」


そこから当主様はこれまでの経緯をはなしてくれた。


どうやら当主様と母は昔恋仲だったようで一時は結婚を考えていたそうだ。しかし、母はもと子爵家の人間で当主様は公爵家の人間だ。


公爵家の人間はその全員が何らかの歴史的な人物であり、何の功績もないただの子爵家のご令嬢が嫁げるような相手ではなかった。


そうしているうちに公爵家の方から聖女様の母君が婚約者としてあてがわれたらしい。


そのうちに母君と恋に落ち始めだが、母のことが気掛かりで結婚することが出来ないでいると母君と母で話し合うことが決まったらしい。


元々母と母君が友人だったこともあり、母が退くことで決定した。


だが、それからも家同士の交流として会うことは絶えなかった。


そのうちに母が伯爵家であるうちに嫁いで僕が生まれたという事だった。


そうして元恋人の息子ということで聖女様に僕を気にかけるように命じており、今回の件を知って捜索活動をしてくださったらしい。




➖母君と母上を間違っていたので改善しました。

やはり朝に書くのは大変ですね🥱

今回は長くなりましたが、これからこのくらいの長さにしようと思っています。

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