まだオレの隣空いてますよ?~謝罪はいらない!ハーレムを~
アンサンブル
第1話
僕は恵まれていた
僕には厳しくも優しい父がいた
僕には勿体ない幼馴染がいた
僕には優しい義母がいた
僕には格好良い義姉がいた
僕には可愛い義妹がいた
僕には憧れの先輩がいた
僕には懐いている後輩がいた
僕には素敵な先生がいた
僕にはモテる女友達がいた
僕には綺麗なお隣さんがいた
他にも面白い友人達、色んな出会いの仲で育んだ仲間達がいると思っていた
終わりは呆気ないもので、ある日突然僕は嫌われ者になっていた
なんでそうなったのか理由は分からない⋯父には殴られ、罵倒され、家を追い出された、家族や友人、仲間と思っていた人達には様々な嫌がらせを受けた死にそうな目にだって何回もあった
家を追い出された日に叔父に出会えてなければ今頃死んでいたかもしれない
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その日、私(半津無念=なかつむねん)は異能者達が所属する、
正式名称【異能異物対策委員会妖魔及び対害生物対応別室】こと、
通称妖魔ギルドに呼び出しをくらい少々イライラしていた
私が子供の頃や学生時代は妖魔退治なんてもんは業界全体で見ても、
月に数件あれば多いほうだと思っていたのだが…
最近は一人につき日に数件、
多いときではそれこそ数十件処理しなければいけない事も多く完全に人手が足りていない状態が続いている
そのせいで休みもなかなか取れていない⋯特にこの数日は異常だ
まるでなにかの前兆かのようにこの街を中心として妖魔がうじゃうじゃ集まっているせいで寝る時間すら危ういってのに⋯
呼び出してんじゃねぇよ!
「ギルド長、話しは短めに頼むぜ?分かっちゃいるとは思うがコッチもゴミの処理でいっぱいいっぱいなんだわ?」
「…三時間ほど前この街で、二級以上で種別は特種と思われる反応が観測された…」
「はァ〜!?特二級ってお前…
マジで言ってんのか?…っていうかなんで特二級なんてもんが出てきてなんで街が無事なんだ?
っていうかそんなもん出て来たら逆に俺なんて役に立たないだろ?」
「話の途中だ、慌てるな…コチラも急ぎ対策としてギルド内や直ぐに連絡の取れる三等級以上のギルド員に指示を出して、二十名ほど現場に向かわせたんだが⋯なぜか五分ほどで特二級の反応が消失したらしくてな?
…現場には何も痕跡が残って無かったとの報告だ。
お前には現場で何があったか、記憶と誤差は無いか…痕跡は残っていないか調べてもらいたい」
「…ん?ちょっと待ってくれ…
そうゆうのは別に得意でもなんでもないっつうか対象外っていうか、なんも出来る気がしねぇんだが?
ギルド長も知ってるだろ?
ちょっとした退魔術と結界以外なんも出来ねぇぞ?」
「勿論結界は貼ってもらうんだが⋯今回の現場はな、お前の実家の近くなんだよってことでお前の記憶が頼りだ」
「イヤイヤイヤ!兄貴は?」
「…お前が頼りだ」
「なんでだよ!?どう考えても兄貴の方が得意だろそうゆうの!それに特二級だろ!?」
「…ここからは独り言だが…
現場周辺に住んでたものは会長殿を含め全員特二級が出現した時間帯の記憶が無いと証言が出ている…
気を失っていた…らしい…」
「…マジかよ」
「もう気付いてると思うが…今回の依頼は完全に秘匿された状態でおこなってもらう、何があったとしてもコチラからの援助は期待しないでくれ」
現場にはなぜか当日向かう許可が降りず、次の日実家に寄る振りをしながら現場近くの公園に近付くと甥の優人(ゆうと)がいるのが見えた
「おー!ゆうとじゃねぇか!一人か?」
優人は俺に気付くと号泣し抱きついてきた
俺は他に誰かいないのかと、周りを見渡し実家のほうを見ようとした瞬間…
悪寒が体全体を走り抜け結界を全開で展開し、優人を連れて現場から逃げ出した
果たして俺は正解を引けたんだろうか?
この日優人は俺の弟子となった
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