ランナウェイ離さないで!! 少年は少女を連れて!

亀岡たわ太

第1話 少年は少女を離さない

 俺ファイは、少女ランナと逃げていた。闇夜の城スケルトン兵士が蠢く城の中を俺は少女の手を取り城の外に出るよう逃げる。


「走れ!!」


 俺は少女をひっぱり走る。警備するスケルトンの視界を避けながら俺とランナは柱の反対側を走り抜ける。


 ランナは恥ずかしがる。


「ファイ?? どうして来たの?!!」


「俺はランナ!! 君を助けに来た。」


 ランナは俺とスケルトン兵士を背に明るく楽しみながら全力で走る。ランナは俺のパーティの一員。俺は出来れば恋人にしたいと思ってる。そんな仲だ。俺はランナを助かる喜び、ランナは城の牢獄から解放される喜びでテンションが上がる。二人は手を固く握りあった。


 城の塔のヘリ。闇夜の空に飛行船が停まっていた。俺のパーティの飛行船だ。10人位乗れる使い勝手の良い飛行船だ。


 飛行船からおっさんの声が聞こえる。


「ボウズ! ランナちゃんは助けたか?」


 俺ははしゃいで答える。


「おう、ランナは元気だ! 俺はランナが好きだ!」


 ランナは恥ずかしがる。


「何言ってんのよ。もう。」


 俺はランナの手を離さなかった。はしごから飛行船まで引き上げる。飛行船には俺のパーティシラヌイおっさんを含むメンバーが乗ってた。スケルトン兵士達が追いつく。スケルトン達は弓矢を多数放ってきた。


 そんな物で俺の飛行船は落ちやしない。飛行船は急旋回しながら闇夜の城を離れていく。空高く飛んで行った。


 月夜の中。飛行船は飛ぶ。甲板の前部で俺ファイとランナは佇む。二人で月を見に来た。今日の月は下弦である。俺は横にいるランナの手を握った。


 ランナは言った。


「助けてくれてありがとう。助けてくれるとは思ってなかったけど嬉しかった。」


 少女ランナは獣人国のお姫様。ちゃいろの小さな耳が可愛い。


 俺は言った。


「離さないって、言ったろ??」


 数日前俺のパーティはスケルトンの集団に襲われランナはスケルトンに誘拐された。俺達は懸命に情報を集めてある筋からスケルトンの城がある事を突き止めた。


 スケルトンの白は山の上、断崖絶壁だったが俺らには飛行船が有る。俺は一人潜入してランナ姫を救い出した。


 俺はランナの顔をじっと見て真剣に言う。


「俺は君を絶対に守る。もう離さない。」


 俺はランナの手を強く握る。ランナ、


「ファイ。私は。」


「もう言うな。皆分かってくれる。俺が分からせる。」


 ケモノ姫ランナは一時期パーティから抜け出そうとしていた。獣人とはいえお姫様なので冒険スキルが無い。冒険者のパーティの俺らには足手纏いだと自分で思い悩んでいたようだ。俺達は気にしてないのに。


「さあ、ランナ姫のお城を取り戻しに出発だ!」


 俺らの冒険はここから始まる。



              終わり



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