第5話 買い物
「はい、とうちゃーく!」
ことちゃんとエデルを連れて城下に降りる。
沢山の店が並ぶ通りで、まずはことちゃんの服を買おうと思う。
セーラー服もとっても可愛いけど、少し目立つし。
服は貰えるらしいけど、流石に王族御用達な高級素材のものがでてきても困るし。
服屋は通りの真ん中らへんだから、そう遠く無い。本命は別にあるから、なるべく早く済ませたいところ。
「それじゃあ、まずは服買いに行くよ。着いてきて」
「はっ、はい!」
やっぱり、まだ緊張しちゃってるみたい。そんなにかたくなることないのに。
私が先頭になって、エデルとことちゃんに並んで歩いてもらう。
人々の視線を浴びながら服屋へ急ぐ。
注目され過ぎじゃない?何で?エデルか?第一王子か!?
うう、居心地悪くなってきた。早く行こ。
「こんにちは!今日はこの子の服買いに来たよ」
「おう、いらっしゃい。この子……っつうのはこっちの嬢ちゃんか?どこかの学生さんっぽいが、この制服は見たことねぇな」
「あはは、そこ気にしないで。このお嬢さんに似合いそうな服を……そうだな、七セット持ってきて。予算は小金貨三枚くらいね」
「はいよ」
店番のおっちゃんが暖簾の奥に引っ込んでいった所で、ことちゃんを連れて店中を見て回る。ことちゃんの好みの服を調べるためだ。勿論、気に入ったのがあれば買うつもり。ついでに、お金のことも教える。
「まず、お金は結構種類あるのね。ことちゃんのいたところって、お金の単位は円で合ってる?」
「はい、いや、うん。合ってる」
「おっけい、それじゃあそれで解説してくね。
まず鉄貨が一円、小銅貨が十円、銅貨が百円、小銀貨が千円、銀貨が一万円、小金貨が十万円、金貨が百万円、小白金貨が千万円、白金貨が一億円。もっとあるけど、取り敢えずこのくらいかな。後で紙に書いて渡すね」
「ありがとう……えっと、リアさん」
あーー可愛い!名前覚えてくれたの、好き!
「おぉい、リア、これで良いか?」
「見せてー」
戻ってきたおっちゃんが持ってきたのは、オフホワイトのシャツが七枚と黒のズボンが七本。ありきたりなのを持ってきてくれた。
「ことちゃん、サイズ大丈夫そう?」
「あ、うん。大丈夫そう」
「おっけー。おっちゃん、これいくら?」
「銀貨八枚だ」
お、意外と安い。丁度銀貨八枚払って、受けとった服をエデルに押し付けて店を出た。
文句を言いながらも持ってくれるの、流石優しい。
「次ね、ここ」
「ここって……何屋さん?」
「うーんとね、素材屋さん。魔法使うのに杖が要るから、作ろうかと。デザインとか要求ある?」
次に来たのは、杖や魔道具、薬の素材がおいてあるちょっと怪しい店。何回か買い物したことあるから信用してるけど、ちょっと怖いんだよね。
ことちゃんは初心者だから、魔力の伝導率が高いものが良いよな。あんまり大きくても困るから短めで。どっちかっていうと安全性高めないと。
店を回りながら、ことちゃんの杖の材料と私が欲しかった物を買っていく。ここだけで金貨一枚使っちゃったよ。まあ良いや、経費だ経費。
これは自分で持って、店を出た。
「あれ、文房具とかは用意してくれるんだっけ?」
「あー、確かそう。だけど、一応買っとくか?」
「そうする」
と言うわけで、次は文房具屋へ。
色とりどりのインクやペンが沢山おいてある。
取り敢えず黒インクは二瓶買って、ペンはことちゃんが気に入ったらしい、蓋に小粒のルビーが付いているペン。あとは大量のノートとレターセット。何でレターセットがいるのか知らないけど、買ってこいってことらしいから買った。銀貨六枚。
そろそろ暗くなってきて、ことちゃんを城に返さないと。
送ったら、知り合いのところに行くことにした。幸いなことに本店は近くにあるし、行っても無駄になることは無い。
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