悪役上司、改心する
とりあえず俺はせめてもの抵抗として、悪役上司である
とりあえずこの散らかったハゲをなんとかするのに美容院に行こう。
その日の勤務後、俺は家に帰らず真っ直ぐ繁華街へ向かった。
「いらっしゃいませ」
あったあった、爆乳先輩の攻略ルートに登場するカリスマ美容院だ。
「金はやるから、いい感じにしてくれ」
「え、ええ……かしこまりました」
カリスマ美容師は困りながらも、カリスマぶりを発揮してくれた。これで散らかったハゲからおしゃれハゲくらいにはレベルアップできたかな。
「あとは服だ!」
さすが亜久山部長、マネーならいくらでもある。これも爆乳先輩の攻略ルートに登場する百貨店に行って10万円を店員にポンとくれてやった。
「これで適当に見繕ってくれ!」
「かしこまりました」
さすが百貨店店員、無茶ぶりにも対応してくれる。これで亜久山の見た目は普通のオッサンくらいになった。
さっそくこれで出勤しよう。
「亜久山部長、イメチェンですか?」
「ああ、似合うだろう?」
さっそくオフィスの皆が驚いている。
「部長!さすがです!」
えーっとこいつは………?
「
あー、思い出した。
こいつは
「さて今日も仕事だ事故だ、他人の外見なんか気にしてはいけないぞ」
そう俺が言うと、今度は皆がポカンとした。
ああそうか。
亜久山部長の口癖は「なんだその乱れた身なりは!?」だったな。それで主人公がいつも「乱れているのはお前の頭だよ!」って脳内で突っ込むんだった。
とにかく、少しでも亜久山破滅エンドは回避できただろうか。
昼を回って、俺は周りを見渡す。
そう言えば主人公の姿が見えないな。
外回りでのイベントが多いから、またサボってやがるな。
帰ってきたら説教だな。
いや、これではパワハラ上司になってしまう。
俺はどう主人公に声をかけるか一生懸命考えた。
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