ふひひ
午後になってやっと歯医者に電話がつながった。応対に出た受付嬢に事情を説明する。
「お腹壊したとかそういうことでなければ、ふひ、大丈夫ですので、んふ、予約された日にまた、来てくださいね、ふひひ……」
かなり一生懸命笑いをこらえた様子で返事をする彼女。その独特な笑い方に、少々イラッとしながら、常識知らずな行動をした自分が悪いのだ、と己を戒める。
分かった。ロキソニンはまだあるから頑張るよ。
私は鎮痛剤を飲み、何年か前に講座に通って教わった「頭痛・歯痛に効くツボ」などを押してみる。
他にも色々あるが、一気に押して「北斗の拳」のように爆散してしまっても困るので、これくらいでおさめておく。(単に飽きた)
強さは押してイタ気持ちいいくらい。呼吸は丹田を意識して、吐きながら3秒押す、ゆっくり3秒吸いながら離す。これを3回ほど。
私は、次にコウジと受付嬢に相まみえるまでの間、じわじわとツボ押ししながら痛みを逃がすのであった。
つづく
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