第38話 幼なじみの思い

 読者どくしゃのみなさんもう聞きあきたかもしれませんが、今夜も超暑い。


 こんばんは。山田吾郎(やまだごろう)です。いつもゴロウって呼ばれてます。

 ナナと高杉とは、わかば幼稚園からの幼なじみです。


 わかば幼稚園主催ようちえんしゅさいのサッカーチーム『FCわかば』に三人とも園児えんじのころから参加してます。

 ちなみに二歳上のタクさんも同じFCわかば出身です。


 幼稚園ようちえんから小学校までのおよそ八年間、FCわかばでタクさんをずっと見てきました。

 タクさん自身は、自分はポンコツだとおっしゃいますが、そんなことはぜんぜんないです。

 タクさんの走りはハンパないっす。短距離たんきょり中距離ちゅうきょりどっちも速すぎ。



 ナナとオレたち三人は小学三年生のとき、FCわかばの選手たち一年から六年全員で、カルディ府中主催しゅさい長距離走記録会ちょうきょりそうきろくかいに参加しました。


 ナナとオレと高杉の三人、そしてタクさんは二キロメートル走に出場。

 そこで五年生のタクさんは、六年生の選手たちをあれよあれよと抜きまくり。

 小学校高学年の部で全体の二位となってゴールしました。


 タイムはわけわかんない記録になっちゃってます。

 まだ小学五年生なのにおとなのプロ選手なみに走っちゃってます。


 タクさんは午前中に記録会を終えると、その足で午後の地域トレセンの試合にも出場してました。

 体力もハンパないっす。


 そのトレセンの試合の翌日、おっさんSCアカデミーのスカウトから電話があり、今日にいたっているそうです。



 そんなタクさんからオレと高杉は、先日せんじつ声をかけられました。

 ナナがおっさんSCレディースU15のセレクションをふたたび受けるらしいので、その応援おうえんをしに来てくれないかと。


 オレと高杉にアイスクリームおごってくれたついでに、そうおっしゃいました。

 そりゃすぐ行きます、っていうか行くに決まってるじゃないですか。


 そして今日の第二回セレクション。

 ナナの応援おうえんもかねて土手から見学させてもらってます。


 そこに参加してる女子選手たちのプレーがうまいのなんのって。

 オレと高杉は、自分たちのしょうらいの夢ちょっと考え直した方がいいんじゃないかって思いました。


 すると、ナナが女性コーチとナナのパパの三人で、クラブハウスに入っていくじゃないですか。

 どうなってんの。みなさん、こんどこそうご期待。


 



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