第20話:ハッピーバースデー、苺。

10月のイベントと言えば、大切な苺の誕生日だなって一吾は思った。


「誕生日を素通りなんかしたら、怒るか、拗ねるか、泣くかどれかだな」

「プレゼントとバースデーケーキ用意しなくちゃ・・・」


女性が好むブランドのことなんか、さほど詳しく知らない一吾はヴィトンの

公式を検索してみた。


「なになに?・・・ ポシェット・メティスってのがあるのか?」

「値段は?・・・447,700円?・・・」

「バイ・ザ・プールオンザゴーってのも可愛いな・・・これは?・・・440,000円」

「苺はどっちもらったら喜ぶかな・・・・迷うな・・・」


一吾は散々迷ってポシェット・メティスにした。

バイ・ザ・プールオンザゴーってのは可愛いけど、持ち歩くには場所を選び

そうだなって思った。

で、早速、カートにポシェット・メティス放り込んだ。


そして苺の誕生日当日。

一吾は会社から帰る途中、人気のケーキ屋さんへ寄ってバースデーケーキを

買って帰った。

マンションに帰ると苺はお好み焼屋さんのバイトにでかけていた。


一吾は朝、苺に「お誕生日おめでとう」って言っただけでプレゼントのことは

内緒にしていた。


苺もついに・・・ああ、歳のことは言わないでおこう。

でも苺は老け顔じゃないから、実年齢には見えなかった。

苺はお好み焼屋さんへ勤めはじめてから、ずっとショートにしていたから

なおさら若く見えたのかもしれない。


苺の髪色はブラウン系で髪型は前髪ありのショートボブ。

顔サイドにある独特なカットラインは「姫カット」というらしかった。

今時おかっぱなんて言わない。


「さてとプレゼントは届いてるし・・・あとは主役が帰って来るだけ」


陽が西に傾いて星々が空に輝いてお子ちゃまがそろそろ寝はじめる頃、

苺が帰ってきた。


本当は外食でもって考えてたんだけど、苺にはお好み焼屋さんのバイトが

あったので近所の高級寿司店で出前を取った。


最近寿司なんて回転寿しへ行くことが多くて本格的お店の寿司はまじで

久しぶりだった。


苺は風呂から出ると、さっそく寿司を美味しい美味しいって腹一杯食べた。

よく食べる苺を見るのが一吾は好きだった。


ふたりで腹一杯寿司を食べて、さてバースデーケーキ。

舞子へのプレゼントはケーキを食べて、バースデーエッチのあとに渡そうと

一吾は思った。


普段日だけど、今日は特別な日だから、とうぜんエッチはするって二人の間で

暗黙のうちに決まっていた。


「苺・・・ソファに座って、パンツ脱いで?」


「え?、なんで?」


「面白いこと・・・って言うか楽しいことしようと思って」


なんだかよく分かんないまま、舞子はパンツを脱いだ。


すると一吾は舞子の両足を持つと自分の方に引寄与せたので苺はソファから

ずり落ちそうになった。

で、一吾はそのまま苺の股を開いた。


「なにするつもり?」


一吾はバースデーケーキのホイップクリームを指にたっぷり塗って苺に

見せながら言った。


「苺の大事なところにヒップクリーム塗って、僕が舐める」

「楽しそうだろ?」


「あはは・・・なにされるのかと思ったら・・・変態・・・」

「ほんとそういうこと好きだね」

「って言うかよくそんなことよく思いつくね、退屈しない人」


「塗ってもいい?」


「いいけど・・・」


苺はクスクス笑った。


一吾は指に塗ったホイップクリームを苺の大事なところにたっぷり塗った。


「くすぐったい・・・あはは・・・くすぐったいってば」


「すぐに気持ちよくなるからね〜」


こういうことをすぐ思いつくイッちゃんはスケベの天才?って苺は思った。

そしてラブラブで萌えた後、一吾は苺にヴィトンのバッグをプレゼントした。


「ウソ、まじで?・・・ヴェトンじゃない?高かったでしょ?」

「嬉しい・・・イッちゃんありがとう」


そう言うと苺は一吾に抱きついて顔じゅうキスした。


「ごめんね、気を使わせちゃって・・・」


「今のうちだぞ・・・釣り上げた魚に餌はやらないって言うだろ?」


「大丈夫、私がメイドでいる限り餌で不自由することないから」


つづく。




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