ど田舎のメイドさん。

猫野 尻尾

第1話:彼女募集。

設定を考えてた時、思いました。

まるで僕の願望みたいな小説だなって・・・。(=^x^=)



今年の春から一吾いちごもようやく大学を卒業して社会人。

社会人になったことを機に彼は実家から出てマンションに引っ越した。


一吾の家はそこそこの富豪・・・昔からの地主の家で僕は金持ちの御曹司。

金は・・・親からの援助で自由になる身分。

友人はいる・・・友人は金では繋がっていても心を許せるやつはごくわずか。

言い換えれば金と引き換えに真実の愛を見失っているかもしれない。


で、なんの展望もなく親父の経営する会社に就職。

ど田舎の会社だけど、会社の中になにがあってどうなってるのか把握できない

ほど広い。

一吾はその会社で企画広報課に所属してる。

まあ、ぬくぬくとした日の下で遊んでるようなもの。


暴れてるよな。


で、その主役の彼の名前は「甘王 一吾あまおう いちご


そしてなにが彼の大好物かって言うと、それはもうメイドさん。

趣味は釣りでもなきゃキャンプでもない・・・ひたすらメイドさん。

メイドさんが大好き・・・メイドフェチ、つうかメイドさんに母性を

感じてる。


一吾は社会人になったら必ずメイドカフェに行ってみたいって思っていた。

要は、彼の好みは誰でもいいからメイドの衣装さえ着ててくれたらいい。

本当のメイドさんじゃなくてもいい、そんな贅沢は言わない。

普通の女の子がコスプレしててさえくれたらいいんだ。


かと言ってコスプレイベントには一度も行ったことがない、ど田舎だから、

そんなイベントは皆無・・・だから可愛いメイドさんをネットで見るしかない。


で、メイドカフェに行くって言っても、ここはど田舎・・・周りは田んぼだらけ。

南は山、北は海、やっぱりメイドカフェなんか一軒もあるはずがない。

都会に出て行かないとそれは無理。

だから、一吾は連休を利用して上京してメイドカフェに初めて行って来た。


それはもう・・・萌え〜だった・・・夢の世界だった。

店のメイドさん、みんな大好きになった。

全員、持って帰りたかった。

後ろ髪引かれる思いでど田舎へ帰ってきた一吾は、ますますメイドの彼女が

欲しくなった。

彼女を確保する方法はないかと模索した結果・・・。


彼女を応募することにした。

迷うことなく一吾の趣味願望を叶えてくれる女性をネットで募集した。



《彼女募集》

《当方は「甘王 一吾」と思うします・・・現在23歳です。

募集の対象年齢は17歳から25歳くらいまでの女性です、未成年方は

ご両親の許可を得てください。

贅沢は言いません、容姿端麗でなくていいです・・・まあいいに越した

ことはありませんが・・・。

これは必須条件ですがメイドの衣装を着て一緒に生活してくれる方。

もし契約が成立した場合は高額報酬・高額ボーナス保証します》


普通だったら、そんなバカな募集にノッて来るような物好きな女性なんか

いるはずないんだ・・・怪しまれるに決まってるから。

もしかしたら募集の最後の「高額報酬」が状況を左右するかもしれない。


一週間経ち、二週間経ち、3週間経ち・・・もう応募してくる人もいないかと

思って募集したことすら忘れかけようとしてた矢先。


そしたらある日、一吾のスマホに知らない人から電話がかかってきた。


「あの・・・応募したいんですど・・・もう遅いでしょうか?」

「もうどなたかにお決まりになりましたか?」


「応募って?なんのことでしょう?」


「メイドさんの格好して甘王さんの彼氏になったら高額報酬って書いて

あったから、応募したんですけど・・・」


あ〜やっぱりそこか?


「あ、忘れてました、すいません」

「大丈夫です・・・まだ、彼女募集中です」

「正直、誰も応募して来ないからまだ決まってないのが現状です・・・」


「こんなバカな企画に応募なさっていただけるんでしたら、どこかでお会い

してって言うか、面接させていただいてもよろしいでしょうか?」


「はい、よろしくお願いします」


「で、あなたの・・・君のお名前は?」


「私、幸乃花 苺さちのか いちごって言います。


「えっ?・・・いちご?」


つづく。






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