第32話 わからせの宴を邪魔された!
『フハハハハハ! 中々に楽しそうな宴を催しているではないか! 私も混ざりたいものだな!』
何やら氷河期のおっさんと思しき声が謁見の間に響き渡った。
『私の名はキョーセイセイコー。全てをわからせる闇の大魔王だ!』
闇の大魔王……だと!?
『フドーイセイコーを倒したぐらいでこのように浮かれているようだが、あんなのはただのクソざこだ!』
魔王だったフドーイセイコーがクソざこだっていうのか。まぁそれは同意するけども。
『私がいる限り、やがて世界中の者どもを悉くわからせるであろう!』
おいおい、何を勝手なことを抜かしやがる。わからせはこの俺の役目だっての。
『さぁ、心の底から私を煽ってみせるがいい! お前たちの煽りは私の快感! そして命ある者全てをわからせて、世界をセンシティブで覆い尽くしてやろう!』
センシティブで覆い尽くすって何だ? けどまぁ煽りが快感なのはわかりみが深い。
『私の名はキョーセイセイコー。全てをわからせる闇の大魔王だ! フハハハハハ!』
やがて雲が晴れ上がり、謁見の間に再び光が差し込んだ。
だが、宴会の席は静まりかえり、すっかり興醒めした空気になってしまった。
闇の大魔王キョーセイセイコー……。まーた面倒臭そうな奴が現れやがったな。
しかも、せっかくの楽しいわからせの宴に水を差しやがって。
「つーことでコドージ、引き続き大魔王退治退よろしくな♡」
メスガキ女王が買い物のついでのようなノリで大魔王討伐を頼んできた。
おいおい、マジか。魔王討伐を終えてこれでやっとまた引きこもれると思ったのに……。
「おいおい、おっさん、何考え込んでるの?♡ 考えすぎるとハゲちゃうぞ~♡ あ、もうかなりハゲてるんだっけ♡」
俺は《わからせ棒》を使った。
「あっ、ご、ごめんなさいごめんなさい! だからお願い、それはやだ……おっふお゛お゛お゛……、あっ、あっ、はっ……あんっ♡ ふっ♡ あッ♡ んあっ♡ いい♡ はあああ♡」
「えっ、何なに~?♡ おじさん大魔王にブルってんの?♡ まぁクソざこだもんね、しょうがないね~♡」
俺は《わからせ棒》を使った。
「生意気なこといってすみませんでしたぁ~! だからゆるひてくだしゃい……おねがいひま……んごおおおっ! おごっ♡ ぶぽっ♡ んぐっ♡ ぐっぽ♡ じゅっぽ♡ んんんんんっ♡ ……かはあっ♡ おひさんのにがひいいい……ごくっ♡」
「ほらおっさん、バナナ切ってやったぞ♡ いや、鉛筆は折れねーから♡ つーかあたしの切ったバナナ早く食えよ♡」
俺は《わからせ棒》を使った。
「ね、待って! まだバナナが……ちょ、ああっ……こっほおおおおお!? お゛っ、あ゛っ、ん゛っ……あっ♡ あんっ♡ あひっ♡ んあっ♡ 何かぐちゃぐちゃになってすっごくいい♡」
「おいおい、またあたしのことほったらかして他のメスガキわからせてんじゃねーし♡ 罰として朝までわからせだからな♡」
俺は《わからせ棒》を使った。
「ちょ、おまっ、いきなりそこからって……@※√∑∀☆#!? くふぉお゛お゛お゛お゛お゛……お゛んっ♡ はんっ♡ んお゛っ♡ あひゅ♡ ダメ、まだお願い♡ あぁん、そっちもいいけど♡ あっ♡ はっ♡ んあっ♡ はひっ♡ もっと激しくううう♡ え? 最後はここでかよ♡ ……んぐぐぐぐっ♡ ぶぽっ♡ ぐぽっ♡ じゅっぽ♡ んぐっ♡ じゅる♡ くっぽ♡ んんんんんん~♡ ぶはあああああ♡ ……ごきゅっ♡」
俺はひとまず大魔王のことは忘れて、シラけた雰囲気を覆すべく《わからせ棒》を使い倒す勢いで朝まで生わからせを堪能したのだった。
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