第15話 メスガキを昇天させた!

 オジンダベアを出発した俺たちは船で東へと進んでいると、南大変洋の真ん中で潮の流れのおかしな場所を見つけた。


 そこで、オジンダベアで手に入れた《潮吹きのつぼ》を海中に投入してみると、そこからまるでアレのように勢いよく潮が噴き出した。


 やがて海が干上がって海底が露わになる。するとそこに、何やら洞窟の入り口と思われる裂け目が確認できた。


 早速中へ入ってみると、熱帯地域だというのに中はぞくぞくっとするほど肌寒い。さらにしばらく進んだ先のやや開けた場所に、何故だかスク水姿の極上な美少女が横たわっていた。


 見たところ年の頃はJC6くらいだろうか。黒髪ショートボブに日焼けした小麦色の肌が何ともわからせ心をくすぐってくる。


 俺は女の子に近寄り声をかけてみるものの返事がない。と、思ったら――。


「あは♡ おじさん、今あたしを見てやらしいこと考えたでしょ?♡」


 突然目を開けた女の子からそんな言葉が返ってきた。そしてこの煽り方、どうやらただのメスガキのようだ。


「おじさんあたしのことガン見してんだけど、ウケる~♡ そんなにスク水好きなの?♡」


 ゆっくりと立ち上がったメスガキは、腹黒そうな笑みを浮かべながら近寄ってきた。


 元いた世界ではリアルなスク水姿の女の子なんて拝むことができなかったんだ。そりゃ大好きですよ、はい。しかも旧スクとは、このメスガキもなかなかどうして、俺らのツボをよく心得てやがる。


「ねぇ、もっと色々見せたげよっか?♡」


 そう言って、メスガキがスク水の肩ひもをずらせて見せる。すると、日焼けしていない白い肌が露わになった。


 くっ……。この小麦色と白のコントラストが生み出す破壊力よ。


「あはは♡ そっちのおじさん二人、何か鼻息すごいんだけど♡ もっと見たい?♡ なら、そこにお座りしなよ♡」

「「はいっ!」」


 目を血走らせ鼻息を荒くしたシコルとヤライソは、メスガキに命じられるまま犬のようにお座りした。


「ウケる~♡ ほんとに犬みた~い♡ はい、お手♡」


 メスガキが二人の前にほっそりとした足を突き出す。そのメスガキのつま先にお行儀よく手を乗せるシコルとヤライソ。


 おい! お前らには氷河期の、ていうか、人としてのプライドってのがないのかよ!


「ねぇねぇ、そこのおじさんも我慢してないで素直になりなよ~♡ とっておきのアレ、見せたげよっか?♡」


 メスガキは両手をスク水のプリンセスライン沿いに艶めかしく這わせて腹部にまでもっていくと、水抜き用の穴をおもむろに広げて見せた。


「「ぐはっ!!」」


 この一撃でシコルとヤライソは鼻血を出してノックアウトされた。


 水抜き用の穴から覗くメスガキのヘソに、さすがの俺も一瞬意識を失いかけたがどうにか持ち堪えた。


「あは♡ 堪えてやんの♡ おじさんすごいね~♡ すごいすごい♡」


 メスガキの黒い瞳のハイライトが侮蔑を含んで妖しく光っている。


「じゃあじゃあ~、そんなおじさんへのご褒美はコレね♡」


 メスガキはくるっと後ろを向くと、お尻のスク水の食い込みを親指でぱつんと直して見せた。


 おぉ! こ、これがあの有名な食い込み直しというやつか!?


 その凄まじい破壊力にさすがの俺もよろめく。だがこれもどうにかこうにか持ち堪えた。


「あはは♡ まだ堪えてるし♡ でも~、別なところは正直になっちゃってるよ♡ キモ過ぎる~♡」

「ぐぬぬぬぬ……」


 どうやらメスガキの煽りが最高潮に達したようだ。


 よし、いいだろう。じつに素晴らしい煽りだった。その礼として、俺からも最高のわからせをお見舞いしてやろうじゃないか!


 俺は《わからせ棒》を使っ……。


「ねぇ、コドージ。あんた、さっきから屍を前にして何やってんの?」


 はい? し、屍だって??


 トヨーコのそんな言葉に俺はハッと我に返る。すると、目の前にいるのはあの極上なメスガキではなく、スク水を着たミイラのような姿の屍じゃないか。


「おいおいババア、いいところだったのに邪魔するなよ~♡ せっかくわからせてもらえると思ったのによ~♡」


 俺は危うく屍のメスガキをわからせるところだったが、トヨーコのおかげで寸前でそれを回避できた。


「まぁでも、久しぶりにおじさんたちを煽りまくることができて楽しかったよ、ありがと♡ だからおじさんにこれあげる♡」


 そう言うと、屍のメスガキが艶めかしい仕草でスク水を脱ぎだした。くそ~、これがさっきまでのメスガキの姿だったら最高だったのになぁ。


 俺は屍のメスガキから《メスガキのスク水》を受け取った。


 手にしたスク水からは、何故だか人肌の温もりのようなものが伝わってくる。


「メスガキ……」


 長い間こんな海の底の洞窟で屍になり、スク水姿でおじさんからのわからせを待ちわびていたというわけか。


 ブワッ! ここで俺の涙腺が一気に崩壊した。


 こいつをこのままにしておけない。俺の手でどうにか成仏させてやらなければ。


「メスガキ、これまでずっとひとりぼっちで寂しかっただろう……」


 俺は屍のメスガキを力一杯抱きしめた。


「ちょ、やめろって♡ おじさんがあたしみたいな女の子に抱きつくって、それ思いっきり犯罪だし♡ キモいから離れろっての♡」

「大丈夫だ、この俺がお前の望みを叶えて成仏させてやる!」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「え? コドージ、ちょっとあんた正気なの?? それは屍だって……」


 トヨーコが慌てて止めに入るが俺はそれを振り払う。


 確かに目の前にいるのは屍だが、目を瞑ればさっきの極上なスク水姿の可愛いメスガキだ!


「や、やめろって! あ、あたしはもう死んでるんだぞ! ほんとの姿だって見ただろ……。だからやめ……あ゛あ゛あ゛」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「あんっ♡ あッ♡ ハッ♡ ん゛あっ♡ す、すごい♡ はんっ♡ おんっ♡ あっ♡ ひっ♡ こ、こんなの、はッ♡ ん゛おっ♡ はじめて♡」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ はッ♡ はひっ♡ ダメッ♡ お゛っ♡ あ゛っ♡ ん゛おっ♡ 逝くっ♡ あッ♡ あひッ♡ 逝くっ♡ あ゛んっ♡ あぁ♡ 逝っちゃうううう♡」


 こうして俺はひとしきりわからせると、屍のメスガキは元のあの極上な姿となり恍惚な表情を浮かべてすーっと消えていった。


 念願だったわからせも叶って、これであいつも心置きなく成仏したことだろう。


 俺はいいことしてやったぞとみんなの方を振り向くと、トヨーコら三人はあり得ないといった視線を俺に向けたのだった。

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