第7話 メスガキ村の長をわからせた!

 ロリアマ城を出た俺たちはそこから東へと進みマダニートの街へやってきた。だが、街の中は閑散としていて人影が見当たらない。


 そこへ何やら路地裏の方から声が聞こえてきたので行ってみると――。


「ねぇねぇ、おじさんのそれって、どこからおでこでどこから頭なの?♡」

「ぐぬぬ……」

「あはは♡ 顔、真っ赤だよおじさん♡ 何なに?♡ ヤルの?♡ ヤルつもりなの?♡ 別にいいけど、そしたらこれ鳴らすよ?♡」


 JS6くらいの黒髪ツインテールをした女の子が、氷河期とみられるおじさんを煽り散らかしていた。


 この光景、何やら既視感があって身につまされてくる。


 こいつは紛れもなくメスガキで、これはれっきとしたわからせ案件だ。


「おい、メスガキ! 調子に乗るのもそこまでだ!」

「はぁ? あんた誰?? つーか、ここにもまだ氷河期のおじさんがいたんだ♡ しかも、おじさんだけじゃなくてババアもいるじゃん♡」


 メスガキは新たな獲物でも見つけたとばかりに腹黒い笑みを浮かべた。


「なっ!? 今ババアって言ったわね? ねぇ、コドージ! このメスガキ、さっさとわからせちゃって!」


 ババア呼ばわりされたトヨーコが金切り声を上げた。


 お前に言われるまでもなくそのつもりだ!


 俺は《わからせ棒》を使った。


「えっ? 何それ? やだ、そんなのムリ! いやあああ! ……くぉおおおおお」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「あ゛あ゛あ゛……、あんっ、おっ、あッ……、はっ♡ あんッ♡ ああっ♡ んあッ♡」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「はんっ♡ あっ♡ あひッ♡ い、いい♡ ふひっ♡ ハッ♡ もっと……♡ あっ♡ い゛っ♡ もっとおおおおお♡」


 こうして俺は、おっさんを煽り散らかしていた黒髪ツインテのメスガキをわからせたのだった。


「どなたかは存じませんが、煽られているところを助けてくだりありがとうございました」


 俺は助けたついでにおっさんから色々と話を聞くことにした。


 それによると、このマダニートの街では最近メスガキが出没するようになり、氷河期のおじさんが煽られる被害が頻発しているという。中には社会的な死にまで追いやられたおっさんもいるらしい。


 そのため、この街のおっさんらはみなメスガキを恐れて、すっかり子供部屋に引きこもるようになってしまったそうだ。


 えっ? それって多分、メスガキとか関係なく引きこもってるんじゃないの??


 だがこれで、この街が閑散としている理由がわかった。


 メスガキどもは、マダニートから北に行った山のふもとにあるメスガキ村からやってくるという。


 メスガキのせいで、何の罪もないおっさんらが困っているというのなら助けないわけにはいかない。


 そこで俺たちは、そのメスガキ村へ行ってメスガキどもをわからせることにした。


「あの……、せっかくなのでこのメスガキ、私もわからせてもいいでしょうか?」


 さっき助けたおっさんが、興奮を抑えきれないといった様子でそんなことを言ってきた。


 まぁ、すでにシコルやヤライソもわからせた後だし好きにしたらいい。


「ありがとうございます! ぐへへ、さっきはよくも煽ってくれたよなぁ、このメスガキ! もう二度とナメたマネできないようにたぷりとわからせてやる!」

「ひっ、ひいいい! ご、ごめんなひゃい、ごめんなひゃい! ひゃあああああ!」


 おっさんがメスガキをわからせている心地よい悲鳴とともに、俺たちはマダニートをあとにした。


※ ※ ※


「ねぇねぇ、どこ見てんのおじさん♡」

「きゃ~♡ 氷河期のおじさんたちに襲われちゃ~う♡」

「え、何なに? 子供のあたしに興奮しちゃうんだ?♡」

「あは♡ おじさん、何か出てるよ?♡」

「あたしがいいって言うまでそこでシコってろ、ざ~こ♡」

「あれ? ババアがなんでこんなとこにいんの?♡」


 メスガキ村にやってくると、俺たちはそこに住むメスガキどもによってたかって煽られまくった。俺たちもそんなメスガキどもを容赦なく徹底的にわからせていく。


 そして、メスガキ村のおさが住むというきゃわわな感じの館にたどり着いた。中に入ると、メスガキのむせ返るような甘ったるい匂いが漂う。


「「すううううううううううううううううう!」」


 シコルやヤライソがおもむろに深呼吸しだした。


 おい、空気薄くなるからやめろっての!


「は? お前ら誰?? 勝手に人んち入ってくんなし♡ みんな不法侵入でブタ箱入れてやんぞ?♡ あ、お前らはブタだからブタ小屋の方か~♡ きゃはははは♡」


 大き目なソファーにごろんと横になって、だるそうに雑誌を読んでいた女の子がいきなりそんな風に煽ってきた。


 どうやらこいつがメスガキの村の長のようだ。見た目はJKくらいで化粧もしており、これまでのメスガキに比べると長感がある。


「コドージ殿、騙されてはなりませんよ! この女、見た目はもはやJKであり、私は断じてJKをメスガキとは認めません!」


 目の前のメスガキを見て、シコルが激しい剣幕でそんなことを言いだした。JKはメスガキじゃないってお前、やっぱり筋金入りのロリコンなんだな。


「そうよそうよ! お前なんてもうババアよ!」


 シコルに同調してトヨーコもババア呼ばわりする。いや、ババアなのはお前だから。


「ワシにとっては若い女の子ならみんなメスガキじゃ。ひゃっひゃっひゃ」


 ヤライソはヤライソで若けりゃなんでもいいようだ。


 ……って、今はJKがメスガキかそうでないかを議論している場合ではない。


 目の前に煽ってくる女の子がいたなら、メスガキとしてわからせるのみだ!


 俺は《わからせ棒》を使った。


「ちょ、そんなんキモいの出すなし! や、やだ、やめっ……、きゃあ!? こほぉおおおお……」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「あ゛っ、ん゛ぉ……♡ あッ♡ あんっ♡ すごっ♡ んッ♡ おんッ♡ んぁ♡ ふっ♡ はッ♡ いい♡ はんッ♡ あ゛♡ あ゛♡ あ゛♡」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「あ゛んっ♡ はッ♡ ふひゅ♡ お゛っ♡ いい♡ そこっ♡ あッ♡ ひッ♡ おっふ♡ ダメっ♡ はッ♡ もっと……♡、もっとお願ああああああい♡」


 こうして俺はメスガキの長をわからせたのだが、シコルのJKはもうメスガキではないという発言がどうにも引っかかり、イマイチ盛り上がりに欠けてしまった。


 その後、俺たちはマダニートへ戻り、メスガキ村の連中はことごとくわからせたので安心して欲しいと伝えて回ったものの、おっさんらが家から出てくることはなかった。


 んだよ、結局メスガキがいようがいまいが引きこもったままなんじゃねーか。


 何やら虚しい気持ちになりながら俺たちはマダニートの街をあとにしたのだった。

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