第6話
拳銃は懐に忍ばせた。念のため、三つ。
幼馴染みから言われた場所へ行く途中、ふと、今なら死ねる。
そう思った。
だって今は凶器を持っているんだから。
俺はその凶器をこめかみに当てる。後は指を引くのみ。ただそれだけ。
そうすればこのゴミで狂った世界からはおさらばさ。
気持ちを落ち着かせるため三十秒数える。
三十、二十九、二十七、二十六、二十五
十五、十四、十三、十二、十一、十
五、四、三、二、一
零で引き金を引くことはできなかった。
「何してんの弧月」
三人の声がどこからか聞こえたから。
もう言ってしまおうか。どんな顔をするだろう。
「俺は人殺しなんだ。犯罪者さ」
三人は顔をしかめた。
「...本当?」
「本当だよ」
俺は幼馴染みを殺したこと。
そして今から更なる殺人を犯そうとしていること。
少女は、まるで泣きそうな顔をしていた。
そして、少年二人はとても驚いているようだった。
少年は溜息をつく。
「手に持ってる、それで自殺するの?」
「...はは、さぁな」
俺は苦笑いでそう答えた。
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