雑でいいから地図、リソース、制約条件を整理しよう

 ご都合主義。

 私の嫌いな言葉です。


 しかし陥る、陥ってしまう。

 突如現れる救援!

 補給を無視して湧き出る大軍!

 これと言った理由も無く主人公を愛するヤツ!


 ご都合主義というのは、日常物でも戦記物でも冒険者でも、常に潜んでいる魔物です。

 それはせっかくキャラや世界観を作り込んで生み出したリアリティを蝕み、読者の嘲笑を誘う、恐ろしい敵です。


 では人は、何をもってご都合主義と思うのか。

 思うに、それは蓋然性がいぜんせいの無い展開に出会った時です。

 蓋然性。必然性と言い換えてもOKです。

 必然性は100%絶対そうなる。

 蓋然性は、まあ、普通はそうなるよね。

 ぐらいの違いです。


 なんのフラグも伏線もなしに、物理的な制約も、その世界にあるはずの魔法や法律の制約も無視して、何か知らんが主人公に都合のいい事が起きた時、人はご都合主義を感じます。


 さて、これはご都合主義的だな……と自分で気づけば、書いている間に直せます。しかし、書いている時には気が付かない事もあります。


 少しでも敵を炙り出すために、簡単な物でいいので

・地図

・主人公と敵(居れば)が使えるリソース

・魔法(あれば)の制約

・その他、その世界特有の制約

を書いてみてください。


 これがあるだけで、いやそうはならんやろ、という事態を避けやすくなります。

 面倒だなあ、と思われるかもしれませんが、これがないと、ひたすら過去の文章を読み、脳内で状況を整理しながら文章を書くことになります。

 すっと出来る人がいるのも事実ですが……そんな人は多くはないので、ご自分のリソースを出来るだけ眼の前の文章に割けるようにしましょう。

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