5話 2体目の仲間

「あなたがやったの?」


 その声は怒りを十二分に含んでいた


「あなたがみんなから無差別に命を奪ったの?許せない。私達は何もしてないのに。人間が勝手に攻め始めたのに。」


 絶望より怒りが勝り、殺気の溢れ出ている少女にテイムしたスライムがすかさず抗議をしに近くまで行く。


 魔物どうしだと言葉が通じやすいのかもしれない。スライムと話しオーガの少女は次第に敵意が収まり、かわりに涙目になっていた。


「そうだったのね…ごめんなさい…言いがかりをつけてしまって」


 その時の僕は間抜けにも、少女のたくましさに驚いていた。


 いつの間にか涙目は怒りをあらわにして震えだしていた。


「こんなことをした愚かな犯人のところまで案内してくれないかしら。私の手で始末する。」


確かにその気持もわかる。だからこそ、


「今はだめだ、実力が足りない。相手はAランクのパーティーだ」


「このまま指をくわえて引き下がれって言うの?絶対にいやよ。それに、"私は強い"。」


 彼女の怒りは僕なんかでは到底計り知れないだろう、それでも…ついこんなことを口走ってしまう


「君でもまだ勝てない、それだけ奴らは強い。それに、この件は上層部の人間も関わっているかもしれない、だから提案がある…一緒に復讐しないか?」


「なんであんたなんかと…………ええ、わかったわ。あたしひとりだけよりも効率が良さそうだもの。」


 意外にもこの提案をのんでくれた。


 そして彼女と繋がるような感覚がした



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