SS メメシアの謎の哲学
とある小さな宿で、全員が同じ部屋に泊る事になったのよさ。
プロテイウスは自分の剣の手入れをしているのよねぇ。
ハレルはプロテイウスに手入れを教わって、自分の短剣の手入れを行ってるのよさ。
プロテイウスのデカい剣はツヴァイヘンダーと呼ばれる文字通りの両手持ち剣で、ハレルの剣はカッツバルガーと言う短剣だそうだわさ。
「いてっ!」
ハレルが指先を切ってしまったのよさ・・・
「おいおい、大丈夫か?」
「うん、小さいし、大丈夫だよ」
「ハレル。ちょっとこっちに来なさい」
っと、メメシアがハレルを呼び寄せたのよさ。
「小さい傷ですが、指の怪我を侮ってはいけません。戦う為に剣を握るのですかね」
メメシアはハレルの指に手をかざす・・・
「オン・コロコロセンダリマトウギソワカ」
っと、メメシアが謎の呪文を唱えると、ハレルの指の怪我がみるみるうちに綺麗に消えたのよさ。
「これでよし。気を付けてくださいね」
「ありがとうメメシア・・・」
「所でメメシア・・・その呪文、いったい何の呪文なのかねぇ?」
「これは極東の地の祈りの言葉です。極東の、いわゆる守護聖人の力を降ろす術ですよ」
「極東の・・・しかし、なんでそんな術を使えるのかねぇ?」
「わたくしの所属する修道会がまだ、教化が進まない極東の地への宣教活動を計画しています。そこで、わたくしはその地方の土着信仰を研究していました。この術も研究の一環です」
う~ん・・・
メメシアの考えはようわからんのよさ・・・
「いいですか?航海技術も向上し、これから今まで繋がりの無かった新世界、つながりが薄かった遠方の国々と関係が生まれます。そこで聖書の教えを広める為には、ただ押し付けるのでは無く、その地の文化を学び、相手に聖書の教えを心から理解してもらわねばなりません。見解を広める必要があるのですよ」
「メメシアは・・・もし、この魔王討伐の旅が終わったら・・・」
「海を渡って、様々な地域で聖書の教えを説きます。そして、多くの人々を正しい信仰へ導きたくあります」
う~ん・・・
兎に角、この話しであたしがわかった事は、メメシアの考えはわからんって事なのよさ・・・
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