#47
罰ゲームはいままで行った事の無い店でやる事にした。
だって、知ってる人の中でやっても面白くないからね。
いつもは村からの道が繋がってる東門の近くの店ばかりだから、今日は西門の辺りに行こうと思う。
罰ゲームを受けるのはウエダさんなので、今回は奥さんも同伴です。
コタニさんがナミちゃんと留守番する事になった。
ホテル内にはちょっとしたお店があり、そこでトランプを買ったそうだ。
それで一緒に遊ぶらしい。
ポチも一緒にお留守番。攫われたら大変だからね!
この町は結構大きいので、各門を周るバスが出ている。
バスと言っても馬車なんだが、500円で好きな門で下車して良い仕組みだ。
どうせならと、バスに乗って移動した。
勿論西門周辺は初めてだ。
不思議な物で、東門近くとは雰囲気が違う。こちらの方が高級そうな感じがする。
早速ウエダさんが買ってきた地図で、行く場所を探す事に。
買ってきた物が、最初に自分の罰ゲームの為に使われるとは皮肉だねぇ。
「ここに行ってみましょうよ!」
一緒に地図を見ていたカンダさんが声を上げる。
「えっ? どこ?」
「インディアンポーカーって書いてあるんですよ。俺、どんなゲームか知らないんで」
インディアンポーカー?! それってあの?
おでこにトランプを当てて勝敗を決めるやつ?!
そんな店まであるのかよ……。でも面白そうだ!
「じゃあそこに行ってみようか! じゃあ今からウエダさんは『ジャック』か『イエロー』で。どっち?」
「なあ、マジでやるのかよ?」
「マジだよ? こういうのって、ちゃんと最後までしないと面白くないじゃん?」
「そうだけどさぁ……あ~判ったよ!」
「で、どっち?」
「くっ、、、じゃあ『ジャック』で行くよ」
ついでに奥さんに「ジャック」の経緯を話してあげた。
「じゃあ私は『クイーン』でしょうか? フフフ」
奥さんの方がノリノリじゃないですか~。
さて、お店に到着したのだが、、、やはりここは1人で行ってもらおう。
全員で行けば、誰か俺達を知っている人がいるかもしれない。
見つかったら面白くないよね?
中に入ると壁に説明や注意書きが貼ってあった。
この店もポーカーの店のように、別室で勝負の様子を見れるらしい。
「じゃあ、俺達は別室にいるから。頑張ってね~」
さすがにウエダさん自信のお金を使わせるのはヒドいと思うので、俺のカードを渡した。
50万入ってる。負けても文句言わない、勝っても全て俺の金、という決まりになってる。
そう、この勝負はお金の勝ち負けじゃあ無いのだ!
ウエダさんが恥ずかしい名前で呼ばれるのを見るだけなのだ!
知らない人の為に少しだけ説明しよう(この店のルールだけどさ)。
使うチップは1枚5000円のもの。
インディアンポーカーとは、、、
4人1組で丸テーブルで勝負するゲームだ。場にある1組のトランプを使う。
1.最初にその中から適当に1枚のカードを引く。1番大きい数字を出した人が親になる。
2.親はカードを回収し、シャッフルする。終わったら場の真ん中にカードを置く。
3.親から時計回りで、カードを1枚引く。その後に全員が場にチップを1枚出す。
4.親の合図で一斉にカードを自分のおでこに当てる。自分のカードは見えないが他人のカードは見える。
5.場にあるタイマーのスイッチを押す。1分でベルが鳴るタイマーだね。
6.その1分の間に、会話をしたり人の顔色や視線を見たりして、自分のカードを予測する。
7.大きい数字を持ってる人が勝つので、勝てると思ったらここでチップを出していく。無理だと思ったらここで降りる。
8.全員の行動が終わったら勝負。おでこのカードを場に出して勝敗の結果を見る。
9.一番大きい数字の人が場のチップ総取り。数字が同じなら黒いカードが強い。黒同士ならスペードが強い。
10.勝った人が親になり、3に戻る。
11.場のカードの山が無くなるか、だれかが破産したら終了。
こんな感じだ。
ジョーカーが入っているので最後に1枚は残るんだけどね。
このゲーム、意外と記憶力の勝負にもなってくる。
一度出たカードは出てこないからね。暗記してれば後半が勝負どころになる。
今思ったけど、このゲームって俺向きじゃないかもしれない。
常に強いカードが俺に来たとしよう。
他の3人はそれを見たらチップの上乗せをしないんじゃないか?ヘタすりゃ降りる。
最後まで勝ったとしても1回のゲームで5000円×3人×13試合=19万5000円しか稼げない。
他人が勝負出来る!と思ってもらえないと、大勝ち出来ないゲームなのだ!
まあ俺の事はいいや。
ここはウエダさん、いやジャックの試合を見学しようじゃないか。
あれっ? ウエダさんって記憶力良かったっけ??
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