#3

ウエダさんが慌てて近寄ってきた。




「兄ちゃん!! やったな!! 兄ちゃん!! やったな!!」


「落ち着け!! ウザい!!」


「いやいや、1等だぜ?! 確率10万分の1だぜ?!」


「そうなの?」


「そうだよ!! それを最初の1回で当てるたぁ何てヤツだ!!」




いや、何かが当たると思ってたよ。


でも鋼の剣だよ? これが1等?


普通さ、アダマンタイトとかヒヒイロカネとかの剣じゃないの?


そう考えてたら、店員さんが剣を持って来た。




「すげぇな!! 兄ちゃん!! やったな!!」


「いや、鋼の剣だよ?」


「何言ってんだよ?! その剣はステータス補正がかかってるんだよ!!」


「そうなの?」


「説明書きを見てみろよ!!」




何かチャチい紙に説明書きがあった。


やっぱりショボいんじゃないの?




~~~~~~~


鋼の剣


・筋力UP


・集中力UP


~~~~~~~




へ~。こんな感じなんだ。


ためしに装備してみると、




筋力(E)→筋力(D)


集中力(D)→(C)


速さ:16(+1)→25(+10)




になってた。


筋力が早さの補正なのね。




「イマイチだなぁ……」


「何言ってんだ、兄ちゃんよ?! 普通の武器にはステータス補正なんか無いんだぞ!!」


「そういうものなんだ~。ま、後2回あるからそっちに期待しよう」


「は? また当たると思ってんのか? 無理無理、そんなにポンポン当たりが……」




ガラガラガラ・・・コロン


カラ~ンカラ~ン




「鋼の盾! 大~当たり~!!!」




「当たったよ?」


「バババババババ・バカな…………」


「そんなにババババ言うなよ。ヘリでも飛んでるかと思うだろ?」




ガラガラガラ・・・コロン


カランカランカランカラ~ンカラ~ンカラ~ン




「ぐすっ……鋼の…………籠手……大…………当たり~…………」




「ココは鋼シリーズなんだね」


「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!!???!!」




店員さんは涙ぐんでるし、ウエダさんは壊れた。


少し放って置いてあげよう。




ちなみに説明書きには、こう書いてあった。




~~~~~~~


鋼の盾


・視力UP


・防御力UP


~~~~~~~




~~~~~~~


鋼の籠手


・治癒力UP


~~~~~~~




両方装備してみたけど、視力がDになっただけで他は変わらなかった。


C以上にはならないのかもしれない。


ある意味ハズレ装備だよ、コレ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る